セーヌ川の遊覧船
あやなっちはちっちゃい頃から、女の子みたい。
パリの小学生の今も、女の子みたい。
小学校にも、うすいピンクの可愛いバッグを持って行ってる。
ゆうなっちと、はなっちは、本当に女の子。
3人はパリの小学校で同じクラスやから、学校でもいつもいっしょに行動してる。
担任はマーリア先生。
可愛い女の先生。
『真珠の首飾りの少女』っていう絵の少女も、マーリアちゃんっていう名前なんだよ~って、教室でも、いつも言ってる。
今日はマーリア先生とクラスのみんなといっしょに遠足。
学校からバスに乗ってロワール渓谷まで。
ロワールの古城めぐり。
そしたらレオナルド・ダ・ヴィンチさんのお墓もあって
なんでイタリアの画家さんなのに、フランスのロワールの古城にお墓あるんやろな~?
って思ったら
晩年に、ロワール古城から招かれて、ずっと住んでたらしい。
ロワールの古城を見ながら、お弁当。
☆
今日の土曜日は、3人と、みんなのママと、6人で電車に乗って旅行に出かける。
パリの駅から電車に乗って。
パリでパンとかお菓子とかを買い込んで。
はなっちのママは
モン・サン・ミッシェルの絵を描きたい~
って言うから
モン・サン・ミッシェルってとこに行く。
ゆうなっちのママは旅行のお仕事をしてるだけあって、いろんなこと知ってる。
みんなにモン・サン・ミッシェルのことや、いろんな観光の話もしてくれている。
あやなっちママは、どこに行っても、いつも、その場所で踊ったり歌ったりしてる。
☆
今日は日曜日。3人はオルセー美術館に行く。
ヴィーナス誕生の絵をみんなで観賞する。
3人はオルセー美術館の学芸員のお姉さんとも仲良し。
「「「このヴィーナスさん、お姉さんに似てますね~」」」
って言うと、学芸員のお姉さんは、めっちゃ喜んでる。
☆
次の週の土曜日。
3人で、あやなっちママの舞台を観に行く。
ママはバレエを踊ってる。
☆
小学校で。
3人はアクセサリークラブをつくって、学校でアクセサリーをつくってる。
植物や動物や昆虫や食べ物などをモチーフにして、可愛いアクセサリーを。
はなっちママのお姉さんはサンフランシスコに住んでて、アクセサリーのお店をやっている。
夏休み。
3人は、はなっちママといっしょにサンフランシスコに行く。
はなっちママのお姉さんに会いに。
小学校でつくったオリジナルなアクセサリーを持って。
お店はケーブルカーの走ってる道沿いにある。
可愛いちっちゃなお店。
「「「こんにちは~」」」
って、3人で、あいさつしながら、お店に入った。
「あ、いらっしゃい~」
って、はなっちママのお姉さんは喜んでくれてる。
お店の中には、壁やら天井やら、いっぱいいろんな種類のアクセサリー、めっちゃ飾られてある。
「「「パリの小学校のアクセサリークラブでつくったやつ持って来たよ~」」」
って言って、お姉さんに、持って来たアクセサリーを見せた。
「うわっ!みんな、めっちゃ可愛いやんっ!」
って言って、お姉さんは喜んでる。
「さっそく、お店に飾ろう!」
お姉さんは、3人の持ってきたアクセサリーをお店に飾りはじめる。
「これは、いいわ!めっちゃ可愛い」
お店の中も、来た時よりも、なんかキラキラしてる感じになった。
「みんな、ありがとうねー」
って、お姉さん。
「また、どんどんつくって、どんどん持ってきてねー」
って言ってる。
はなっちママは
「ついでに、これも飾ってくれるー?」
って、お姉さんに聞いてる。
「なにこれ?」
「わたしの描いた絵よっ!」
「まあええわっ!お店に飾っといたるわ」
って言って、お姉さんは、はなっちママの描いてきた絵を、窓の横あたりに飾っていた。
サンフランシスコのケーブルカーの絵だ。
坂道の街にケーブルカーの走ってる絵。
遠くには海も見える。
きれいな風景画。
可愛い女の子とかもいる。
「このお店のために、サンフランシスコを描いてきてくれたん?」
って、お姉さんは、はなっちママに聞いてる。
「そやで!お店のためにサンフランシスコの風景画、描いてきてあげたんやでー」
って、はなっちママは答えてる。
「ありがとー」
お姉さんもめっちゃ嬉しそうに喜んでる。
そのうち、お店に、お客さんも、やって来た。
「いらっしゃいませ~」
お姉さんはお客さんに言ってる。
日本人みたいな女の子4人組だ。
「「「「うわっ!めっちゃ可愛いの、いっぱいあるなー」」」」
って、4人で日本語でしゃべってるから、やっぱり日本人の女子だ。
あやなっちたちは、自分たちのつくってきたアクセサリーも買ってくれるかな~って思いながら、お客さんのこと見てた。
そしたら、お客さんたち、3人のつくったやつも、何点か手にして、レジまで持って来てくれた。
「「「うわっ!わたしたちのも買ってくれてはるわ」」」
って、3人はおたがい顔を見合せながら、飛び跳ねてた。
「「「「いっぱいありますねー」」」」
って、お客さんのお姉さんたちは、はなっちママのお姉さんに言ってる。
「この子たちのつくったのもあるんですよ」
って、はなっちママのお姉さんは答えてる。
「「「「うわっ!そうなんやー」」」」
って、4人のお姉さんたちは、あやなっちたちのこと見てる。
3人はドヤ顔をお姉さんたちにしてる。
「「「「あははは...みんな可愛い」」」」
って、お姉さんたちは、あやなっちたちに声をかけた。
「みんなサンフランシスコに住んでるの?」
って聞かれた。
「「「3人ともパリに住んでるけど、今日は夏休みでサンフランシスコに遊びに来たんやでー」」」
って、3人はお姉さんたちに答えてる。
「えーっ!パリに住んでるんやー!3人とも」
「そやで」
「同じ小学校なん?」
「うんっ!同じクラス」
「そうなんやー」
「パリの小学校でアクセサリークラブを自分たちでつくって、そこでアクセサリーつくって、今日は持って来た」
「「「「うわっ!すごいなー」」」」
「「「えへへ」」」
3人は、お姉さんたちにまたドヤ顔を見せる。
「「「じゃあ、またねー!ありがとねー」」」
って言って、お姉さんたちはお店を出て行った。
「ありがとうございますー」
はなっちママのお姉さんは、お客さんたちに言ってる。
ついでに、はなっちママも
「ありがとうございますー」
って言ってるから、3人も、いっしょに声を合わせて
「「「ありがとうございますー」」」
って言った。
それから、3人と、はなっちママは、サンフランシスコの街を散策する。
ケーブルカーにも乗ったりしながら。
海のほうまで、みんなで行った。
ソフトクリーム食べたら、めっちゃうまかった。
海風、気持ち良き。
景色もきれい。
メリーゴーランドもあったから、みんなで乗った。
なんか、めっちゃ歴史あるメリーゴーランドみたいだ。
可愛らしい。
それからシーフードのレストランに行った。
めっちゃ新鮮で、おいしい。
ロブスターみたいなやつ。
あと、いろんな魚介類。
そして3人と、はなっちママは、パリに戻った。
「また来てね~」
って、はなっちママのお姉さんは言ってる。
「「「「また来るね~」」」」
って答えた。
「また、アクセサリー持って来てねー」
「「「うんっ!また、可愛いの、いっぱいつくって、持って来るねー」」」
3人は答えて、パリに帰った。
☆
パリでの夏休みのある日。
3人は、またオルセー美術館に行く。
ヴィーナス誕生の絵を観に行く。
学芸員のお姉さんに
「「「このヴィーナスさんのモデルはお姉さんですか?」」」
って、3人で聞いてみた。
「えーっ!わたしではないですよー」
って、お姉さんは顔を紅くして言ってる。
「「「お姉さんに、めっちゃ似てるからー」」」
って言ったら
「えーっ!ほんとにー?」
って、めっちゃ嬉しそうにしてる。
お姉さんも、『このヴィーナス誕生』の絵、好きなんですか?
って、学芸員のお姉さんに聞いてみた。
「めっちゃ好きよっ!」
ってお姉さん。めっちゃ紅くなって嬉しそうに3人に言ってる。
オルセー美術館を出て、3人は公園を歩く。それからセーヌ川の船着き場に行く。
そして遊覧船に乗る。遊覧船からパリの街をながめてる。
「やっぱりパリの街きれいやな~」
「歴史ある建物いっぱいやな~」
「花の都やな~」
☆
一瞬、船は
フワ~ッ
と浮き上がった。
「うわ!船、浮いてるみたいやで~」
「ほんまやー!空、飛んでるわー」
「遊覧船て言うより飛行船やな~」
エッフェル塔も真下に見える。
遊覧船は
ビューン
と速度を増して空を飛んで行く。
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