セーヌ川の遊覧船

あやなっちはちっちゃい頃から、女の子みたい。

パリの小学生の今も、女の子みたい。

小学校にも、うすいピンクの可愛いバッグを持って行ってる。


ゆうなっちと、はなっちは、本当に女の子。


3人はパリの小学校で同じクラスやから、学校でもいつもいっしょに行動してる。


担任はマーリア先生。

可愛い女の先生。

『真珠の首飾りの少女』っていう絵の少女も、マーリアちゃんっていう名前なんだよ~って、教室でも、いつも言ってる。


今日はマーリア先生とクラスのみんなといっしょに遠足。

学校からバスに乗ってロワール渓谷まで。


ロワールの古城めぐり。


そしたらレオナルド・ダ・ヴィンチさんのお墓もあって


なんでイタリアの画家さんなのに、フランスのロワールの古城にお墓あるんやろな~?

って思ったら


晩年に、ロワール古城から招かれて、ずっと住んでたらしい。


ロワールの古城を見ながら、お弁当。



今日の土曜日は、3人と、みんなのママと、6人で電車に乗って旅行に出かける。

パリの駅から電車に乗って。


パリでパンとかお菓子とかを買い込んで。


はなっちのママは

モン・サン・ミッシェルの絵を描きたい~

って言うから

モン・サン・ミッシェルってとこに行く。


ゆうなっちのママは旅行のお仕事をしてるだけあって、いろんなこと知ってる。

みんなにモン・サン・ミッシェルのことや、いろんな観光の話もしてくれている。


あやなっちママは、どこに行っても、いつも、その場所で踊ったり歌ったりしてる。



今日は日曜日。3人はオルセー美術館に行く。

ヴィーナス誕生の絵をみんなで観賞する。


3人はオルセー美術館の学芸員のお姉さんとも仲良し。


「「「このヴィーナスさん、お姉さんに似てますね~」」」

って言うと、学芸員のお姉さんは、めっちゃ喜んでる。



次の週の土曜日。


3人で、あやなっちママの舞台を観に行く。

ママはバレエを踊ってる。



小学校で。

3人はアクセサリークラブをつくって、学校でアクセサリーをつくってる。


植物や動物や昆虫や食べ物などをモチーフにして、可愛いアクセサリーを。


はなっちママのお姉さんはサンフランシスコに住んでて、アクセサリーのお店をやっている。


夏休み。

3人は、はなっちママといっしょにサンフランシスコに行く。

はなっちママのお姉さんに会いに。


小学校でつくったオリジナルなアクセサリーを持って。


お店はケーブルカーの走ってる道沿いにある。

可愛いちっちゃなお店。


「「「こんにちは~」」」

って、3人で、あいさつしながら、お店に入った。


「あ、いらっしゃい~」

って、はなっちママのお姉さんは喜んでくれてる。


お店の中には、壁やら天井やら、いっぱいいろんな種類のアクセサリー、めっちゃ飾られてある。


「「「パリの小学校のアクセサリークラブでつくったやつ持って来たよ~」」」

って言って、お姉さんに、持って来たアクセサリーを見せた。


「うわっ!みんな、めっちゃ可愛いやんっ!」

って言って、お姉さんは喜んでる。


「さっそく、お店に飾ろう!」

お姉さんは、3人の持ってきたアクセサリーをお店に飾りはじめる。


「これは、いいわ!めっちゃ可愛い」

お店の中も、来た時よりも、なんかキラキラしてる感じになった。


「みんな、ありがとうねー」

って、お姉さん。

「また、どんどんつくって、どんどん持ってきてねー」

って言ってる。


はなっちママは

「ついでに、これも飾ってくれるー?」

って、お姉さんに聞いてる。


「なにこれ?」


「わたしの描いた絵よっ!」


「まあええわっ!お店に飾っといたるわ」

って言って、お姉さんは、はなっちママの描いてきた絵を、窓の横あたりに飾っていた。


サンフランシスコのケーブルカーの絵だ。

坂道の街にケーブルカーの走ってる絵。

遠くには海も見える。

きれいな風景画。

可愛い女の子とかもいる。


「このお店のために、サンフランシスコを描いてきてくれたん?」

って、お姉さんは、はなっちママに聞いてる。


「そやで!お店のためにサンフランシスコの風景画、描いてきてあげたんやでー」

って、はなっちママは答えてる。


「ありがとー」

お姉さんもめっちゃ嬉しそうに喜んでる。


そのうち、お店に、お客さんも、やって来た。


「いらっしゃいませ~」

お姉さんはお客さんに言ってる。


日本人みたいな女の子4人組だ。


「「「「うわっ!めっちゃ可愛いの、いっぱいあるなー」」」」

って、4人で日本語でしゃべってるから、やっぱり日本人の女子だ。


あやなっちたちは、自分たちのつくってきたアクセサリーも買ってくれるかな~って思いながら、お客さんのこと見てた。


そしたら、お客さんたち、3人のつくったやつも、何点か手にして、レジまで持って来てくれた。


「「「うわっ!わたしたちのも買ってくれてはるわ」」」

って、3人はおたがい顔を見合せながら、飛び跳ねてた。


「「「「いっぱいありますねー」」」」

って、お客さんのお姉さんたちは、はなっちママのお姉さんに言ってる。


「この子たちのつくったのもあるんですよ」

って、はなっちママのお姉さんは答えてる。


「「「「うわっ!そうなんやー」」」」

って、4人のお姉さんたちは、あやなっちたちのこと見てる。


3人はドヤ顔をお姉さんたちにしてる。


「「「「あははは...みんな可愛い」」」」

って、お姉さんたちは、あやなっちたちに声をかけた。


「みんなサンフランシスコに住んでるの?」

って聞かれた。


「「「3人ともパリに住んでるけど、今日は夏休みでサンフランシスコに遊びに来たんやでー」」」

って、3人はお姉さんたちに答えてる。


「えーっ!パリに住んでるんやー!3人とも」


「そやで」


「同じ小学校なん?」


「うんっ!同じクラス」


「そうなんやー」


「パリの小学校でアクセサリークラブを自分たちでつくって、そこでアクセサリーつくって、今日は持って来た」


「「「「うわっ!すごいなー」」」」


「「「えへへ」」」

3人は、お姉さんたちにまたドヤ顔を見せる。


「「「じゃあ、またねー!ありがとねー」」」

って言って、お姉さんたちはお店を出て行った。


「ありがとうございますー」

はなっちママのお姉さんは、お客さんたちに言ってる。


ついでに、はなっちママも

「ありがとうございますー」

って言ってるから、3人も、いっしょに声を合わせて

「「「ありがとうございますー」」」

って言った。


それから、3人と、はなっちママは、サンフランシスコの街を散策する。

ケーブルカーにも乗ったりしながら。

海のほうまで、みんなで行った。

ソフトクリーム食べたら、めっちゃうまかった。

海風、気持ち良き。

景色もきれい。

メリーゴーランドもあったから、みんなで乗った。

なんか、めっちゃ歴史あるメリーゴーランドみたいだ。

可愛らしい。


それからシーフードのレストランに行った。

めっちゃ新鮮で、おいしい。

ロブスターみたいなやつ。

あと、いろんな魚介類。


そして3人と、はなっちママは、パリに戻った。


「また来てね~」

って、はなっちママのお姉さんは言ってる。


「「「「また来るね~」」」」

って答えた。


「また、アクセサリー持って来てねー」


「「「うんっ!また、可愛いの、いっぱいつくって、持って来るねー」」」

3人は答えて、パリに帰った。



パリでの夏休みのある日。

3人は、またオルセー美術館に行く。

ヴィーナス誕生の絵を観に行く。


学芸員のお姉さんに

「「「このヴィーナスさんのモデルはお姉さんですか?」」」

って、3人で聞いてみた。


「えーっ!わたしではないですよー」

って、お姉さんは顔を紅くして言ってる。


「「「お姉さんに、めっちゃ似てるからー」」」

って言ったら


「えーっ!ほんとにー?」

って、めっちゃ嬉しそうにしてる。


お姉さんも、『このヴィーナス誕生』の絵、好きなんですか?

って、学芸員のお姉さんに聞いてみた。


「めっちゃ好きよっ!」

ってお姉さん。めっちゃ紅くなって嬉しそうに3人に言ってる。


オルセー美術館を出て、3人は公園を歩く。それからセーヌ川の船着き場に行く。

そして遊覧船に乗る。遊覧船からパリの街をながめてる。


「やっぱりパリの街きれいやな~」


「歴史ある建物いっぱいやな~」


「花の都やな~」



一瞬、船は

フワ~ッ

と浮き上がった。


「うわ!船、浮いてるみたいやで~」


「ほんまやー!空、飛んでるわー」


「遊覧船て言うより飛行船やな~」


エッフェル塔も真下に見える。


遊覧船は

ビューン

と速度を増して空を飛んで行く。


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