魔神になって異世界征服~俺が気絶している間に召喚した最強の魔物達が戦力拡大してたので人間相手に無双します~
壱文字まこと
プロローグ
「あれ?ここどこだ?」
気が付くと体育館ほどの大きさの空間に一人で立っていた。
俺はどこにでもいる普通の25歳サラリーマン。ゲームすることだけが唯一の楽しみだ。少し残業してから家に帰り、お気に入りのゲームをやっていたところまでは思い出せるがその後の記憶がない。
「やっと気が付いたわね」
後ろから艶めかしい女性の声がした。
振り返ると黒い角が生えていて、綺麗な赤い髪を腰まで伸ばした巨乳のお姉さんが立っていた。大きな胸の谷間が見えていて、黒いマントに赤い模様が入った服を着て、その赤い目で俺の方を見ていた。
え?誰この人?すごいコスプレしてるな。
「ここどこなんですか?明日も仕事なので早く帰りたいんですけど」
「私は魔神ギレイヤ。私があなたを呼び出したのよ。私達が作った世界で魔王をやってもらうためにね!」
「すごい設定ですね。そういう遊びするなら歳考えたほうがいいですよ」
「な!?これは本気よ!あなたには私の力を使える才能があるの!」
「そういうのいいから・・・。もう自分で帰りますよ」
「そう。ならこうするしかないわね」
そう言うとギレイヤは右手を伸ばし手のひらを突き出す。
【フレイム】
ギレイヤが小さくつぶやいた瞬間手のひらを中心に魔法陣が浮かび上がり、バスケットボールほどの大きさの火の玉が出た。
「えっ・・・」
その火の玉は俺のすぐ横を通過し、壁に直撃する。重々しい響きとともに凄まじい熱気を背中に感じた。
怖すぎだろ!魔神とか言ってたけどマジなの!?
「これで理解した?遊びじゃないの。次は当てるわよ」
「わかった!わかったよ!話聞くからその手をこっちに向けないでくれ!」
そういうと静かにギレイヤは手を降ろした。
「物分かりが良くて助かるわ。簡単に言うと私達が作った世界、『エルヴィス』で魔物を召喚して天使を殺してほしいの」
これまさか異世界転生ってやつか?
「まあ身内も友達もいないし、異世界転生もの好きだからいいけどなんで天使を殺してほしいんだ?」
「神のクソ共に封印されるしエルヴィスの管理職から外されるしで、直接手が出せなくてね。神と私で作った世界なのにあいつらは人間同士を戦争させて遊んでんのよ!ほんと趣味悪い!だから私も魔王を送り込んで天使殺してやるのよ!それで神の力が弱くなれば私が神を殺せるわ」
「まあ天使を殺すのはいいとして、俺にそれをやってメリットあるのか?なんで俺がやらないといけないんだよ」
「私の力を使えばエルヴィスで金も地位も女も好きにできるわ。天使を殺して私が世界を管理出来たらあなたは好きにしていいわ」
出世もできないし一生童貞だと諦めていたが、もう一度人生やり直せるチャンスだと思った。あと悪役ムーブとか異世界無双もやってみたい。
「わかった。そういうことならさっさ天使を殺して俺は好きにさせてもらう」
「本当!?決まりね!」
そういうとギレイヤは指を鳴らす。綺麗な音と同時に赤い液体の入ったワイングラスが出てきて俺の前でふわふわと浮かんだ。
「さあ!私の血を飲んで魔神になりなさい。そうすれば私の力の一部を使えるようになるわ」
「これ血なのか!?気持ち悪いから飲みたくないんだけど!」
「ぐだぐだ言ってないで早く飲みなさい!もう一回魔法打つわよ!」
「・・・・。」
覚悟を決め、ワイングラスを持ちギレイヤの血を一気に飲む。
全部飲み干し、空になったグラスをギレイヤに見せた。
「ほら、全部飲んだぞ、これでいいんだr・・・!?」
血を飲んだ瞬間、沸騰したかのように体が熱くなり激痛が全身を駆け巡る。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!
「ぐああっ!・・・・あがっ!」
「反応早いわね。思ったより適正ある証拠よ。嬉しい誤算ね。」
ギレイヤの笑った顔を最後に俺は意識を失った。
◇
「うわあああああ!はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
俺は声を上げなら飛び起きた。
「あら!目が覚めたのね!かなりいい男になったじゃない。」
自分の姿を確認すると黒い目に髪が白く変色し、ギレイヤと同じ黒い角が生えていた。ガリガリだった体は細マッチョになり一回り大きくなっていた。今なら何でもできそうな全能感を感じていた。
「これであなたは人間ではなく魔神よ。正確には半魔神ね、まあ時間が経てば完全な魔神になるはずよ」
「すごいな・・・マジで生まれ変わったみたいだ。」
「あなたの名前は私がつけてあげるわ。名前は【ザラス】ね。ここからは魔法の練習と戦い方を教えてあげる。時間はたっぷりあるから強くなってからエルヴィスに送るわね」
それからギレイヤと魔力の使い方から戦闘までを教わった。
ギレイヤが納得するまで修行を続け、結局50年も何もない空間にいることになった。
◇
「おらぁぁ!!」
俺はそう叫ぶと今いる空間が壊れるほどの爆発が起こった。ギレイヤが打ったフレイムの爆発よりはるかに大きな音と熱気が空間に響いた。
「ギレイヤ!ついに神級魔法を使えたぞ!これでエルヴィスに行けるんだよな!」
ギレイヤが俺の元に小走りで寄ってくる。
「え!?もうできちゃったの?ヤダ!寂しいからもっとここにいて!」
「なんでだよ!魔神になったら使える魔法を習得したら異世界行けるって約束しただろ!?」
「ヤダ!もっとザラスくんと一緒にいたい!おっぱい触っていいからずっとここにいてよぉぉ!」
ギレイヤは俺に抱き着き、胸を俺の体に押し付けてきた。
ギレイヤは長い間この場所で一人だったらしく、修行していくうちに俺に対して弟みたいに思ってしまいデレデレになっていた。
最初の時と比べ、口調も性格も別人にみたいだった。ちょっとかわいい。
「おっ・・おい!やめろよ!早く異世界行きたいんだよ!神に復讐するんだろ?」
「そうだよね・・・、お姉ちゃん一人でも頑張る。じゃあエルヴィスに送るね」
俺の足元に何重にも重なった赤い魔法陣が出現し、光り始める。
「修行がきついこともあったけど楽しかったよ。ありがとな」
「あっ!そうだ言い忘れていたけど天使が出てくるのは人間を殺しまくって追い込んでからだからね!全滅させると天使も神も別の世界作っちゃうからうま~くやってね」
「え?俺今から人間も殺すの?」
「うん!」
聞いてねえよ!元人間だから人間殺すのはメンタル的にきつすぎるだろ!!
「おい!そういうことは先に言えよ!天使と戦うだけじゃないのかよ!?」
「うん!いつもここから見てるからね!頑張って!」
魔法陣の光が強くなり視界が真っ白になり、俺はどこかに飛ばされた。
◇
またこの空間で一人になったギレイヤはため息を吐く。
「これで8回目ね・・・。ここから先は誰にもわからない。どうなるか楽しみね」
―――――――――――
初投稿です。お手柔らかにお願いします。
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