創作昔話

額田兼続

第1話

昔々、あるところに。

お爺さんとお婆さんとミキという女の子がいました。

ある日。ミキが「兄弟や姉妹が欲しかったなぁ…」、と呟きました。

それを聞いたお婆さんはお爺さんに伝え、次の日。お爺さんとお婆さんは神社に行きました。

「ほう。ワシに頼み事じゃと?」

「はい。私達の孫には兄弟が居ない上、両親も他界。私達は貧乏でして、彼女と遊んであげる暇も無いのです。なので、兄弟をください。」

「分かった。明日の朝、望みを叶えよう。」

「「ありがとうございます!」」


翌日。

庭に生えた松の木に、竹の兄弟が出来ました。

なので、お爺さんとお婆さんはまた神様に頼みに行きました。

「お前らはしつこいのう…」

「申し訳ございません。私達は孫、ミキの兄弟が欲しかったのです。」

「分かった。明日望みを叶えよう」


さらに翌日。

ミキに犬の兄弟ができました。

なので、お爺さんとお婆さんはまた神様に頼みに行きました。

「お前らは本当に、しつこいのう…」

「大変申し訳ございません。私達は人間の兄弟が欲しかったのです。」

「…仕方ない。分かった。では明日、望みを叶えよう。」


翌日。

お爺さんとお婆さんに兄弟が出来ました。

なので、お爺さんとお婆さんはまた神様に頼みに行きました。ミキも一緒です。

しかし、神様は居ませんでした。

代わりに、一人のおばさんが空中に浮いていました。

「あ、あのぉ…」

「ワシは神じゃ」

「えっと…」

「ワシは神じゃ」

何を言っても同じことしか言わないので、駄目だこりゃと思った一家は家電屋に行ってミキサイズの人形を買いました。

しかし、途中で人形が壊れたので一家は道端に捨てました。


その日の夜。

ミキは夜中に目が覚めました。

すると、目の前に捨てた人形が居ました。

「キャーーーー!!?」

ミキは逃げますが、人形は何かを持って追いかけてきます。

そして、ミキは捕まりました。

もうダメだと思ったらミクですが。

「…おにぎり…一緒に食べよ」

人形は寂しがり屋なだけでした。

こうして一家は人形を迎え、幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。

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創作昔話 額田兼続 @Nekofuwa-jarashi

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