舌切り雀part2

Grisly

舌切り雀part2

「助けて頂きありがとうございました。」


お爺さんをもてなす雀達。

彼等の結束は固く、

受けた恩は決して忘れない。


お爺さん、満足な顔をして帰って行った。




同時刻、雀の館 地下広場。

雀達は2つに割れていた。

おばあさんの処遇についてである。


「舌を抜かれただと。何と言うことだ。

 同胞をこんな目に合わせて、

 決して許されることでは無いぞ。

 目に物を見せてくれる。」



「いやいや、戦争でも始める気か。

 人間を敵に回して、

 我々は生き残れるのか。

 

 家族がいる者も多い。

 報復は良くない。思いとどまってくれ。」



「その通り、戦争だ。

 今回のような事にはもう目をつぶれない。

 

 全世界に雀は何匹いると思っているんだ。

 各国に呼びかけ、玉砕しても、

 我々はやり遂げる覚悟だ。

 

 少なくとも

 泣き寝入りよりはよっぽど良い。」



「そんな事をして、何になると言うのだ。

 多くの犠牲は避けられないではないか。

 今は耐えるべき時だ。」




意見は全くまとまらず、

時間だけが過ぎて行った。


そこで、その判断は、

天に任せる事になったのだ。




その結果は皆さんご存知の通り。


おばあさんの運が良かったから、

腰をぬかす程度で済んでいたものの、


1つ間違っていたら、地球を2分する戦いに…

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