色好き妃、皇帝の寵妃となる
𦚰阪 リナ
序色目 色好き妃
とある大陸に位置する
彩心国の歴史上、最も寵愛された、
色皇后は呼び名で、本当の姓は
「余は、天女を娶ったのだな」
桃色の
「陛下…。いえ…。ーさま」
愛らしい彼女の口から、己の名を呼ばれる。
このことがどんなに嬉しいか、あのときの自分にはわからなかった。
(これは運命だ)
今なら、そう思える。
馬鹿だとは思う。
皇帝なのに、ひとりの者を寵愛してしまうとは。
(もっと早く、気づいていたら…)
後悔しない日はない。
彼女に、もっと早く出逢っていたらと。
(あのときは、ただの妃としか思っていなかった…)
このふたりが結ばれる前の物語。
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