空からの贈り物。＊エンドランドの妖精＊

第3話：妖精もイケメンに弱い。

「毎日平和にエンドランドのみんなや家族と幸せに暮らしてたのに・・・」

「なんで化け物なんかに追いかけられなきゃいけないの？」

「冷蔵庫のエクレア黙って食べちゃったからバチが当たったのかな？」

「ベルちゃん可哀想〜ううううう」

「なに？大気、泣いてるの？」

「可哀想じゃないかよ姉ちゃん・・・故郷を追われてこんなところに飛ばされて

来たんだぞ」

「こんなところで悪かったわね」

「そうか・・・いいよ・・・ベルちゃん、しばらくとか言わず、ずっとここに

いていいからね」

「ちょっと、大気、同情だけでそんなに勝手に決めちゃって」

「いいの、いいの・・・あまり言うと帰るなんて言われると僕が困るから」

「大気、あんたこの子に一目惚れしちゃってるでしょ」

「瞳がハートマークになってるよ」

「あんた、クラスに誰か付き合ってる子いるんじゃないの？」

「浮気男は最低だよ」

「付き合ってる子なんていないよ」

「ああ、そんなカイショないか」

「あのさ、前から思ってたんだけど、大気ってジャニーズのスノーマンだっけ？

誰だっけ？・・・その中のイケメン君に似てなくもないよね」

「たしかサイレントなんとかってドラマに出てなかった？」

「そんなドラマ見てないから分かんないよ、興味ないし」

「私でも大気の姉ちゃんじゃなかったら、放っていかないんだけど」

「けど・・・大気、ヘタレだからね」

「なんだよ・・・俺はちゃんとしてるよ、姉ちゃんにヘタレなんて言われる

筋合いないけどな」

「あの・・・あの私のことは放置？」

「あ、ごねん・・・手前味噌な話で・・・今は君のことだったよね」

「あの・・・私もイケメン君にめっちゃ弱いよ・・・」

「普通、女の子はみんなそうでしょ？妖精でもそれは同じだよ」

「ほう・・・全異世界の女子の恋愛事情は共通なんだ」

って姉ちゃん。

「だから私、あなたのこと・・・たいきくん？あなたのこと一目見て好きに

なっちゃった・・・それに私を助けてくれた王子様だもん・・・」

「たった今から、私王子様の彼女になってもいい？」

「大気・・・王子様だってよ、あんたのこと」

「相思相愛じゃん、大気」

「まじで？・・・好きになったって？・・・王子様って・・・」

「なに？この展開の速さ、僕まだなにも言ってないし、ましてや自分の気持ち

も告ってもないのに・・・」

「てか姉ちゃんの前で告られるとめちゃ恥ずかしいんだけど・・・」

「大気、どうやらこの子に惚れられちゃったみたいね」

「余計、放っておけなくなったじゃない、王子様」

「王子様って言うな！！」

「うん、だから私ここでご迷惑にならないよう暮らすことに決めたから」

「いい？」

「まあ、帰るつもりないなら僕はいいけど・・・」

「でもさ、僕も姉ちゃんも土・日以外は学校へ行かなきゃいけないから

君は、ベルちゃんは昼間はひとりになるだけど・・・」

「学校なら私もエンドランドにいた時、通ってたから大丈夫」

「そうなんだ・・・ベルちゃんも学生？」

よく聞くと光の国エンドランドも日本も教育システムは同じみたいだった。

なのでベルちゃんは人間で言うと現在、高校一年生の16歳ってっことか。

「じゃ〜私は、私の王子様の学校についていきます」

「いや学校はダメでしょ・・・ベルちゃん生徒じゃないし」

「ダメなの？」

「ダメっていうか、もし連れていったとしてもクラスのやつらに、ベルちゃん

のことなんて説明するんだよ」

「妖精ですって紹介して誰が信じる？・・・絶対僕がバカだって思われるだけだよ」

「絵本の中のキャラなんていないって思ってる否定的なやつ多いんだから・・・」

「連れて行ってあげたら？」

「あのなあ、姉ちゃんは人のことだと思って・・・」

「だって、ベルちゃんを家にひとり置いとくの心配でしょ？」

「空から降りてきたばっかで右も左も分からないんだから誰だってそんな状況、

不安しかないじゃん」

「なんせ地球人の大気にとっては初の妖精の彼女かもしれないし・・・

人類史上歴史的出来事かもしれないでしょうが・・・」

「彼女って・・・恋人だよな・・・早すぎないか？」

「そりゃベルちゃんのことは心配だけどさ、連れて行ったら彼女が気になって

まともに授業なんか受けられると思うか？」

「この子あんたのこと慕ってるよ・・・あんたと同じで目がハートマークに

なってるもん」

「なんせこの子にとっては、あんたは白馬の王子様なんだから」

「言うなって・・・王子様なんて言われたらこそばゆいわ」

ベルちゃんは訴えるような、眼差しで僕を見た・・・。

「しかたない、じゃ〜学校へ連れて行くか？」

「うん・・嬉しい、王子様」

「そう呼んでいいけど・・・だけど、いい？余計なことしゃべらないこと、

いい子にしてること・・・分かった？」

「うん、うん」

「授業が終わるまでの間、図書室か学食にでもいさせとくか・・・」

ってことで僕は明日からベルちゃんを連れて学校へ行くことになった。

けど、まじ展開が速すぎて脳の思考がついていけてない・・・。

どうなっても知らないからな。

とぅ〜び〜こんて乳。