非人間

ペンギ

第1話

何故

己を知らぬは

身の毛がよだつか


......ガンガン---ガンガンガン---ガンガン......

頭に響く音、それは鈍器で硬いコンクリートの壁を叩いてるような音だ。

寝ていた。

起きるとそこは闇だった。

「路地裏...」

夜目が利く、薄っすらと自分の居場所を悟る。

恐らく今は夜らしい、そこまで入り組んでいない路地裏で自分は目を覚ましたらしい。

...あれ.........。

自分は路地裏で寝ている、しかも裸だ...

「寒くないの?」

話しかけて来たのは鬼灯ホオズキだった。

「心優しい鬼灯...心配してくれてありがとう、君はどうしてこんなところにいるんだ?」

「私は約1時間前からここにいるの。」

「1時間前?それなら俺がいつからここにいるのか知っているかい?」

「えーと、2時間前くらいかしらね。」

「嘘つき...」

思い出したが鬼灯の花言葉は偽り、この花は嘘を吐いているのだろう。

馬鹿馬鹿しいな、此処から抜け出そうか。

夜、とても暗い、何か出てきそうだ。

「多分ここを抜けると歩道に出るな。」

歩道に出ると大きな熊の様な自動車が前を通る。

「...意外と都会だなここ」

辺りを見回すと見上げなければ天辺が見えないほど高い建物が自分を包囲している。

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