奪う者 奪われる者
mino
第1話 いきなり死亡
(こ……殺され…………るっ)
意識が遠のくなか、目の前の男を観る。
義父で虐待を日常的にし金遣いも荒く俺がもっとも憎んでいる奴だ。 その横で母親も止めるでもなく観ているだけだ……
「悪いな……借金を返済する為にはこうするしかないんだよ。へへ」
気持ちの悪い顔で笑っている。
最後に思ったことは、世の中には奪う者と奪われる者の、2種類の人間が居る。
自分は奪われる者で、常に奪われるだけだった。
今度、生まれ変わったら奪う側になる……なってやる。
強くそう思いながら暗闇の中、意識が沈んでいった。
目が覚めると、ベッドの上だった。
何がなんだかわからなかったが、現状把握が大事だ。
まず、ここは病院ではないことは間違いない。ベッドの周りは質素で窓から外を覗くと森が見えた。
「あら、目が覚めたのかい」
優しそうなおばあちゃんがそう言うと、俺が森の中で倒れていたこと息があったので連れ帰ったこと、最初は黒髪だったので妖精か何かだと思ったそうだ。
何故、黒髪にそんなに反応するのかが不思議だったけど、おばあちゃんと話して
まず俺を助けてくれたのがステラおばあちゃん。
そしてここが日本……いや地球じゃないこと、レーム大陸のレッセル村という場所だそうだ。小学生の俺だってレーム大陸なんて、地球じゃないってわかる。
それにステラおばあちゃんが話している言葉が日本語じゃない。なんで日本語じゃないのに言葉が通じるのかは、俺にもわからん。
更に髪・眼が黒い人間が居ないそうだ。
何よりここが地球じゃないって、確信した
目の前のステラおばあちゃんを見る。
名前 :ステラ・フォッド
種族 :人間
ジョブ:なし
LV :6
HP :11
MP :3
力 :3
敏捷 :2
体力 :3
知力 :13
魔力 :4
運 :7
パッシブスキル
なし
アクティブスキル
なし
固有スキル
なし
RPGのようにステータスが見える。ちなみに自分を意識して集中してみた。
名前 :ユウ・サトウ
種族 :人間
ジョブ:なし
LV :1
HP :8
MP :2
力 :2
敏捷 :3
体力 :3
知力 :22
魔力 :1
運 :1
パッシブスキル
なし
アクティブスキル
なし
固有スキル
異界の魔眼LV1
名前が漢字から、カタカナ表記になっている。
異界の魔眼?これのおかげで見えるのか。
兎に角、元の世界には戻れないみたいだし、戻る気もない。
あんな糞みたいな、世界に戻りたいわけがない。
幸いゲームの知識はあったので、ステータスに関してはすぐに理解できた。
この新しい世界で、奪う側になってやる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます