一難去ってまた一難

川向こうのジェロ吉さん

第1話 この出っ張り?

三人で部屋を出されて先を進む。

何部屋かを見ていたけど、モンスターハウスか先住民がいる。


「空き部屋中々無いね」

「そうねお姉ちゃん、ただで手に入れるのは大変だね」

「もう帰ってお風呂に入りたいよ、俺は」


「全くあんたは、少しはお姉ちゃんに協力しなさい、ここを拠点にお金持ちになるんだからね」

そう言って、二人は階段を上がって行く。


ふと三階の踊り場に違和感を感じる。

「どうした弟よ?」


「あれ見てくれ、あそこおかしいよね」

「「アン」」


コンクリートの柱なのに、木の柱みたいなささくれが出ている。


「まあペンキの剥がれじゃ無いのか?」

「きっとマンションを作るのを手抜きしたんだ、内装が剥がれてね!だからダンジョンになったのね」


そんなわけ無いと、俺は思うが。


「まあ触らなければ、良いよね通り抜けようよ」

「そうね、上に向かいましょう」


何故か妹が壁のささくれの前で止まる、そして凝視している。


「お前よせ触るな!」

俺は妹を止めようとするが、時遅し。


「私こお言うの見ると剥がしたくなる、自分の指も他人の指もね!」

妹は親指の爪と中指の爪で掴んで下に剥がした。


柱でも痛そうと思っていると、何と現れたのは小さい幽霊だった。

慌てた妹は指を離す。


「見つかっちゃった、ならお前に呪いをやる!」


小さな幽霊が指を刺したのは俺!


「プププ、俺の呪いは全ての指先にささくれを作る呪いだ、お前は今から全ての手足の指にささくれが出来る、足の靴下を脱ぐ時は気おつけろよ、痛いぞ、そのグローブを取る時も同じだ!

この呪いはダンジョンを出るまで続く、ではさらば!」


幽霊は消える、ただ手を見ると確かにささくれが出来ている。


「少し痛いけど、マンション出れば治るからいいか、早くダンジョン出ようよ」


二人に声をかけるが、妹の目が俺の指を見ている。


「フフフお兄ちゃんさっき言ったよね、私はささくれを見ると剥がしたくなるのよ、自分のも他人のもね、さあ指を貸しなさい」


悪夢だよ!

   






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