※本来は英語でしゃべっていますが便宜上分かるようにしています。


「大丈夫?私の名前はトワ。君の名前は?

[Are you okay? My name is Towa. What's your name?]」

訊いてみたが目の前の少女から答えは返ってこない。あれ?もしかして言葉通じてない?どうしよう。英語以外まともに喋れないのに。相棒バディ来るまで待つか。その間に状況を整理しよう。私の名前はトワ=ハーボット。今まで凄腕の魔術師を輩出して来たハーボット家の娘である。といっても実家とは縁を切っているが...。現在は冒険者ギルドという組織のBランク冒険者だ。今回は人身売買の現場を取り押さえるため相棒バディと一緒に来たのだがさっそく乱闘になり今に至る。そしてさっき助けた目の前にいる少女は7〜8歳に見える。この少女に特徴があるとしたらやっぱり髪色と顔の系統になる。こんな鮮やかな赤髪というか緋色[scarlet colour]は見たことがない。あと自分の顔の系統と同じ東洋系なのだ。これはびっくりした。親友にもいるけど…。あとこの少女は猫をイメージさせる。顔立ちは整っていて将来は美人になりそうだ。しかし何かしらの暴力を振るわれたのかアザができている。それにしても人身売買は違法だし、7〜8歳の子を売るのなんか最低の所業だろう。売った野郎は絶対にろくな奴じゃない。会ったらぶん殴ってやらないと気がすまない。

--数分後

空からドラゴンが飛んで来た。

「どうした?こっちは制圧し終えたぞ。

[What's wrong? I've finished suppressing this one.]」

やっと来たか相棒バディ。通訳お願い。

「こいつ。はぁー、この龍扱いがひどい奴め。」

「何?英語で話して。

[What? Speak in English.]」

「分かったわい。面倒いな。(ボソッ)」

  [I got it.]

「なんか言った?

[Did you say something?]」

「言っとらん。(こいつ心でも読んどんのか?)

[I didn’t say.]」

本当か?あっ忘れるとこだった。振り向くと女の子はあんぐりとしていた。口をパクパクさせている。あっ、そうかまぁドラゴン来たら驚くよね。

「龍だと言っとるのに。

[Even though I'm saying"Ryu".]」

呼び方こだわるなあ。まぁお願い。

「了解じゃ。

 [OK.]

えっと何から訊こうかの。とりあえず自己紹介といこうか。儂は気龍じゃ。言葉は分かるかの?」

少女はこくりとうなずく。

「言葉は喋られるか?」

「は、はい!」

というか何、話してるか分からない。それでも会話は続いていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る