買い物
翌日、私達は大型家電量販店に出かけていた。
アパートが燃えたことで今まで使っていた家電の大半がおしゃかになり、残った物も部屋のサイズが大きくなったので、纏めて買い替えることになった。
各々予算を決めるが、前提として今の私には約四千万近くの貯金がある。
今までダンジョンで稼いでいた金額と配信や動画再生による収益で毎月一千万近く入ってくる。
なので今回の買い物で数百万使ったとしてもぜんぜん大丈夫である。(一番怖いのは来年の税金であるが···)
一番金持ちは山田と椎名で中級の稼げるダンジョンに私が居ない時に潜っていたので小金持ち程度には貯金がある。
ただ子供の事を考えると今回の買い物の出費は嵩むだろう。
逆にお金を一番持っていないのは佐藤と佐倉で、こちらに来たばっかりというのと中級下位のレベルなのでそこまで稼げるダンジョンに潜れていないので貯金が心許なく、百万円単位の出費は厳しい。
佐倉と佐藤には私のアシスタントで配信や子育てを手伝ってもらうため、今回の買い物は建て替える事を約束をしている。
まぁ今回の買い物で数百万飛ぼうが稼げると思っているので強気の買い物をしようと私は思う。
さてさて、今回買う品物は新生活家電三種の神器である冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ(オーブンレンジ)。
これにテレビ、掃除機、炊飯器、ドライヤー、食器洗浄乾燥機は欲しいところ。
エアコンや照明器具は取り付けられてあるのを使えるので除外し、ざっとこんな物である。
とりあえず皆各自で見たり店員に聞くこともあると思ったので、集合時間だけ決めて家電を見ていく。
まずは大物の洗濯機。
一応ランドリーがマンションの八階にあるが、なるべくは部屋で完結させたい。
ランドリーで洗うのは布団や毛布、シーツ等の寝具類にとどめておきたい。
マンションの住民が使うのであまり高頻度で使うのもどうかと思うので、部屋で完結できるなら完結させたい。
色々と見比べてみると、乾燥付きのドラム式洗濯機が平均二十万前後で高い物だと四十万円の物もある。
高いが買えない金額でもないし、四十万のタイプは容量が洗濯が十五キログラム、乾燥が十キログラムで十キロ以下なら洗濯乾燥が一連の流れで行えるのが特徴だ。
これから子供達が成長するにつれて洗濯物が増えていくのを考えるとこれくらいがちょうど良いかもしれない。
メンテナンスも楽なのと長期間の保障が付いてくるので私は四十万の洗濯機に決めた。
続いて見たのは冷蔵庫。
今までは百五十リットルの冷蔵庫を使っていたが、子供達の食事が増えることを考えるとこの容量では心許ない。
なので大きめの良いのが無いかなーと見ていたら自動製氷機能付きの五百四十リットルの冷蔵庫が置いてあった。
扉は六つで、冷蔵、冷凍、野菜に魚や肉の生鮮食材を入れる場所もあった。
天井の大きさ的にもちょうどよく、三十八万したが購入を決めた。
キッチンコーナーに移動し、オーブンレンジや炊飯器を見る。
注意しなければならないのが、私が凄い米や料理を食べる点である。
『吸う』の食事法の弊害で、一回の食事で五合は食べる。
オーブンレンジも食材を温めることを考えると大きい方が良いので、高いタイプを選ぶ。
炊飯器は一升炊きタイプで、保温しても美味しいので、オーブンレンジはボタン一つで温度調整ができるタイプにする。
あとついでにトースターと圧力鍋、電気ケトルも購入した。
食器洗濯乾燥機は四人家族用でまな板や包丁も洗えるタイプを購入する。
掃除機はロボット掃除機と普通のを購入を検討していた。
部屋が広いのでリビングはロボット掃除機にやってもらい、個室や寝室は掃除機でやろうという考えだ。
「思ったより高いなぁ」
ロボット掃除機の相場が十五万程度で、中には二十万超えの物もあったが、リビングだけをやってもらいたいので十五万円ちょっと超えの購入。
部屋を掃除する掃除機はサイクロン掃除機でフィルター不要、コードレスタイプで、重い代わりにパワフルな掃除機にした。
重いといっても私からしたら苦でも全然ないし、その分高性能なのでこれに決めた。
ドライヤーはそこそこのにしてテレビエリアに行く。
テレビはリビングのサイズに合わせて五十五インチの大型テレビにし、ついでにブルーレイレコーダーも一緒に購入し、私の買い物は終了した。
「お会計が百三十二万円になります」
結構な金額だが覚悟の上だ。
「カードで」
「はい」
クレジットカードで購入し、商品は後日マンションに運んでもらう。
他の皆もぼちぼち買っていって山田と椎名は私よりも大きい冷蔵庫やオーブンレンジを買っていたのでこりゃ子供一人じゃ済まないなと思い、一人暮らし組はだいたい六十から八十万で抑えていた。
というか佐倉はドラム式ではなく縦型洗濯機を買っていた。
乾燥はランドリーに任せるらしい。
その代わりにサイクリングマシーンとランニングマシーンを購入していた。
「トレーニングジムも近くにありますけど、自室でも鍛えたいから買いました」
とのこと。
この分だとプロテイン用のミキサーも買ってると思われる。
あと私以外皆最新のゲーム機も買っていた。
「あれ? 後藤さんはゲームやらないんすか?」
「いや、やるけど子育てや配信忙しくて遊んでる暇が無いからなぁ」
「あぁ、なるほど」
「それに今めちゃくちゃ充実しているし」
松田の問いにそう答えた。
家電を買い終わると、そのまま家具を取り扱っているお店に直行し、家具を購入していく。
山田と椎名はキングサイズのベッドを購入し、私は再びベビーベッドを二つにシングルのベッドを購入、東横は布団派らしく、通信販売で良さそうな布団と毛布を注文していた。
佐藤はやたらとカラーボックスを購入していたので聞いてみると本や小物を置くのにちょうどよいのだとか。
小物はダンジョンのトラップを解除するツール一式も含まれており、潜るダンジョンに合わせて変えられるようにカラーボックスにジャンル別に分けて収納したいらしい。
一方萩原は本棚を購入していた。
こちらは実家に置いてきていた漫画を持ってきて部屋に飾ったり読んだりするのだとか。
小部屋の一つは書庫にするらしい。
「ちなみに萩原は何冊ぐらい漫画持ってるの?」
「古本屋で全巻セット買いに一時期ハマっていたので数千冊はありますよ。実家に置ききれなかった本はレンタル倉庫に入れてあったんで、それも部屋に移動しようと思います」
「なるほど」
萩原に書庫ができたら読みに行っても良いか聞くとどうぞどうぞと言われた。
寝具類やタオル類、食器、テーブルや椅子を購入し、これも後日宅配を頼んでクレジットカードで支払って店を出た。
時間が余ったので私達はスーツを購入するためにスーツ専門店に向かった。
今後スポンサーと会ったりクランに向けた仕事をする時にスーツが一着も無いのでは話にならないので、スーツを持っている東横、萩原、松田以外のメンバーはスーツを購入していった。
私の胸的に特注かなと思ったが、奇跡的にサイズがあり、その場で袖や丈を調整してもらい、購入した。
「イブキ、社交界だとドレスも必要だけど大丈夫か?」
「え? ドレス?」
「···今度作りにいきましょうね」
そう東横に言われてしまった。
室内系の買い物はこれで終了で、旅館に戻った後、山田から車のカタログが送られてきたが、出されたのは四トントラックサイズのキャンピングカーだった。
おいおいと電話を入れたが、山田にも考えがあり
『まず武器等の装備品を収納するのにある程度の大きさの車が必用で、県外の移動や時間によっては車内で寝なければいけない場面のとき、狭いマイクロバスだと疲れが取れないので、ゆったり休めるキャンピングカータイプを俺はオススメします』
『それに俺が選んだタイプは大きめの貯水タンクとブロアーが付いているので装具をその場で洗うことができる。車内に汚れを持ち込まなくて済むのは衛生的にも精神的にも良いんじゃないか?』
言われてみればそれはそうだ。
「別にチームで動く時以外は皆自家用車で移動するんだから、チーム行動やダンジョンでの行動に特化した車選びの方が良いだろう」
と松田が私にアドバイスをする。
私は車に興味が無いので、車が好きな山田と詳しい松田と萩原に車選びは任せることにするのだった。
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