第58話 第二部も走った!
綾雪乃先生、ミカ、こーぞー、鶴丘一家に見送られて飛び地を後にする。
次は長い船旅の後、小島に着く予定だ。船は24時間走るけどなあ、そもそもが遅いしなあ。
10ノットで走ると約19キロメートル。フィーが只々歩くときって20~30キロなんでゆっくり歩いたとき並かな。
「そういえばリーダー、今回の戦利品はどれくらいあったんですか?
「ん? 全員の2階級昇進と、長官の切腹、フィーに入りきれなかったくらいの素材とコア1045個、2000リッターの灯油と1000リッターのガソリンだね。金は一切くれなかった。105の弾薬代は持ち出し」
「金は無しですか」
「うん、基本姿勢が『お前らが来たから災害が起こった、原因はそちらにある』という姿勢だからね。素材はそもそもあっちが要らないからもらえるけど、コアは嫌がってたな。綾雪乃先生が仲介してくれたけど」
「雪乃先生には頭が上がりませんね」
「
「巨人の中にはスペシャルがあるってのがお約束ですが、今回もあったんですか?」
「あったよーまだ装着していない。安全な場所にならないとね」
船が運航してすぐに、ここは内海なんだけど、内海をまわる海流があるのだ。
普通はその海流に乗って運行するんだけど、ウィゼルは海流から離れているんで突っ切るんだ。
海流を突っ切るのは結構揺れるし危ない。抜けてからインプラントを挿したい。
「あずきー、素材ってなにを手に入れたんだ? あ、そろそろご飯が炊ける。オートクッカーもちょうど良い感じだ。ご飯食べながら聞かせてもらおう」
ステーキと野菜、味噌汁にご飯を食べながら話を続ける。
そう、うちのオートクッカーは何でも出来るのだ。
ステーキだってイカの炭火焼きだって何でも出来る。
焼き鳥だって炭火で作ってくれる。
実際は火力で焦がしてるんだけど、良い香りがつくんだ。
つまりびぃぃぃるは常に冷やしたのがあるって寸法よ。
「まず駄目にしたのは生体素材。恐らく一番素材の質は良いんだろうけど、論理的に受け付けなかった。んで、鋼鉄があったのでそれを取り込んでもらった。これが量あったんで主な素材かな。みんな大好きゴミ箱はなかったと思うな」
「ボクが確保しておいたぞ。食べさせてきて良いか?」
「そういうのは報告することっ! どうぞ、食べさしてきてー保管庫がいっぱいだったから助かる」
ズングッという音とともにキッチンが拡張した。
「これ結構でかいな。フィー、どれくらい小さくなれる?」
「ばう!」
「小型から中型くらいだって。もうちょっと小さくなりたいね、異次元のゴミ箱食べたいねー」
「いや、ボクのバックパックを見るなよ。これ普通に重要な道具だろ」
「私の亜空間バックパック、容量大きくて入るからいいけど、羽根全く使ってなくてかわいそうだな」
「動けて三次元起動できるようになるといいんだがな」
「それで、コアはほぼ小型。犬博士が小さい個体だったので、かな。人間は必ず中型だから犬博士は人間じゃない存在だね。論理をねじ曲げた存在のようだ」
「虫唾が走るな」
「偽博士を倒し続ければ本体に出会えるのでしょうか」
「どうなんだろ。おかーさんとの話だとある程度私が強くなったら子作りしに来そうな感じがするね。偽博士は私の成長剤みたいなもんかも」
「GPSつけて偽博士を襲わせて、強くさせる……」
ご飯も食べ終わったし、グラビディの練習をしてお風呂入って寝ましょう。
訓練は裏切らない。能力値以上の力が出せるのは訓練してるから!
さて9日ほど立ちました。
他の二人は外に出てますが、私はフィーの中。異次元空間の中に居ます。さすがに船の上で攻撃されたら沈むからね。
最近はフィーも異次元空間の扱いに慣れてきて、私を異次元空間で囲ったままオートで動かして、各種部屋に入ったら部屋の広さまで異次元空間を広げるという技を身につけました。
勝手に移動してくれるから楽ちん。
「海域抜けたみたいだね。それじゃお楽しみのスペシャル挿しといきましょうか」
「きたあああああああああ!! 今回はなんだろうねえ! (´▽`*) 」
「前回は意思があるような動きを示したけど、今回はどうだろうね」
というわけで仰向けになって体を固定されてうつ伏せになりガグー。
「おきた? (´▽`*) 」
「おきた。平和っていいねえ」
「ログあるよー (´▽`*) 」
「みせてー」
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手術ログ
インプラントタイプ スペシャル
・アンドロイドとしてのバージョンアップ:バージョン1.2.75.020αα
・一細胞が出すエネルギーの上昇
・装甲刷新
・セーラー服:スパッツ:シューズ:下着の超強化。
・恒常性機能の大幅強化
・複合脳の搭載:権限をより渡せる。脳のパワーを譲ってもパワーダウンしにくい
・神経網の抜き取り:生体ナノマシンが代替する。
・反射行動および行動移行:司る神経が抜き取られたため、生体ナノマシンが代替する。
・エーテル生産設備の拡大。
・エーテル保管庫の拡大。エーテル圧縮技術を適用開始
・さきっちょ耐性:10個
・さきっちょ溶液への耐性:強溶液まで対応。
・レーダーとセンサーを統合。多目的センサーに。
・生体ナノマシン利用の試験β版。
・右腕から射出兵器が出る。レベル3。
・ツールパックにはいる量が増加する。犬なら中型犬までOK。RやPライフル、M105ガラルドくらいなら犬込みで3つ4つ入る。護符は膜の中に完全に入り、全ての異常から防護される。護符の貼り付け及び剥がす行為は思考が命じた時点で自動で行われる。パックそのもの装甲強化
以上
―――――――――――
やっぱスペシャルは意思があるよ。ツ-ルパックの部分明らか過ぎる。なんでインプラントが護符のこと知ってるんだよ。
あとは、複合脳、神経網の抜き取り、生体ナノマシンの試験運用の進歩、エーテル圧縮技術、装甲刷新とさきっちょ耐性による後頭部の強化具合、射出兵器Lv3の威力。
「さて、いったん、持ち帰っ――」
地面に左足をつけて重心を移動としたら滑った。
しかもその次の瞬間手と右脚で重心をとって滑らなかった。
「なんだ、これ」
「神経網がなくなったからバランス取るのが難しいのかもしれないね。重心取ってるのは複合脳の力じゃないかな (๑•̀ㅁ•́ฅ)✧!! 」
「戦闘機動できるようになるまで大分時間がかかりそう」
何があっても船は進む。遺産の島へと。
第二部・完
「あーあ、常設展行きたかったなあ」
「植民地支部でも常設展はありますから」
「ぶー」
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