第6話

春視点


あれから、先輩と会うことはなく、と言うより先輩から私を避けられていた。


私みたいに最高に可愛い後輩を避けるのはムカつくし、何様だと思った馬鹿な先輩の癖に、


でもなんだから、見守ってくれてるような感じがした。


前に私が謝ってた時に後ろから見てたの気づいてたし、ストーカーですか? 


「あっ、先輩!」


「田中さん??どうしたの?学校で」

ちゃんと返事をしてくれた。しかもまるで騙された恨みがないみたいに、能天気に・・・つか


「まだ、田中呼びなのウケる」

もうとっくに私の名前知ってるでしょ。忘れてるの!?50万も貸してるのに


「あ、そうだった。春さん」


「・・・馴れ馴れしく名前呼ばないで下さい!!」

 

 「えー、じゃあ田中さん?」


「春でいいです!!」


 思わず、ドキッとしちゃったじゃないですか、


 「じゃあ、俺行くから」


「ちょっと待ってくださいよ、あのさっきから何でそんなにジュース持ってるんですか?」


 「パシられ中」


相変わらずですね。先輩は・・・返されない前提でお金を貸す度胸はあるくせに・・・


「ウケるんですけど」


「 最初からそれ言うためでしょ」


ムッ・・・


 「なんで、平気でパシられてんるですか?」


 「俺ボッチだから」


「はぁー、じゃなくてですね、」


先輩、変なところでチキるから相変わらず友達も居ないし、馬鹿で雑魚のまんまなんですよ。


「まぁ言い返す気も元から、無いかな。こんなんだからずっとボッチでパシられるんだけど」


言われる前から、認めるてるし、


「・・・ダサいです!」


あーもう、



 「仕方ないので、私も一緒に持ってあげますよ。」


 「・・・え、本当に?」


 何ですか、そんなこいつがって顔は?? 


 「本当ですよ!!はい、行きます・・・」


 その時、先輩は見せたことのない笑顔をしていた。


「ありがとうでも、もうすぐ授業だからいいよ。」


 ちゃんと持っていたジュースのところに指が触れる。


 やばいやばい、どうしよう


「・・・最初から、・・・最初から一緒に持つ振りして断るつもりでした!!」


「えぇー!」


 「じゃ、じゃあ!!」


今私どんな顔をしているの・・・分かる確実に恥ずかしい顔をしているのは分かる。

走った。走り続けた。こんな顔・・・こんな顔をこれ以上先輩に見せるなんて恥ずかしすぎて死にそう


 愛宮編 完

ーーーーーーーーーーー


 学校が終わってからバイトまで時間はかなり開けてある。

 ・・・友達と遊べるように、


 だけど、今日は何も予定ない。・・・いやいつもか(泣)


春にまたゲーセンを誘えばって


 「危ない!!」


上から止まらないで落ちてくるベビーカーを何とかくいとめる。


 「ありがとうございます!本当にありがとうございます!!」


「いえいえ、それより赤ちゃんが無事で良かったです。」


「本当に貴方は命の恩人です。って、えアンタは」


「な・・・夏さん?」


久しぶりの再会で夏さんは中学で俺を虐めていた人だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る