その屋上には、天使が潜む━自殺志願者の少年と空から舞い降りた天使の物語━

@second2

はじまり

人にはそれぞれ悩みがあり、抱えられる悩みの数もまた、人それぞれである。しかし悩みの許容量を大幅に超えてしまった場合、特定の人はただ一つの結論へと辿り着く。そう、『死』である。一人で全てを抱え込んだ結果『死』を選んだその少年は、死の間際、雑居ビルの屋上にて、何を思うのか。そして何を見るのか。その答えは、そこに佇む『天使』に聞くと良い。君の家の屋根にも、あの子のアパートの屋上にも、いろんな姿形で、時に君と一緒に笑ったり、怒ったり、寂しがったりしながら佇む『天使』に。見えていなくてもいい。というか見えていない方がいい。でも忘れないでいてほしい。答えを見失って、命さえも見失うその時が来たら、『天使』は君の目の前に現れる。そうしたら尋ねてみるといい。君の人生、全ての答えを。『天使』はきっとこう答えるだろう。

『それを今から、私と一緒に見つけよう』と。ほら、あの少年も『天使』を見つめている。いつか君が迷って、『天使』が見えるようになった時のためにも、少しだけあの少年と目の前の『天使』の行く末を覗いてみよう。

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