オモイデイイナ

日月ひた

プロローグ

 残暑が残る九月の頭、中学最後の夏休みが終わろうとしていた。


 卒業まで半年しかなく、思い出を残すために学校生活でいつも一緒に居るメンバー三人でグループアルバムを作ろうと言う話が出た。その意見に私たちは大賛成し、そこから話が広がっていき、受験の合間を縫って沢山思い出を撮り残そうという話になった。

 そこからは話がどんどん進んでいき、夏休みの最後の日に宮崎市内にある一番街や若草通りで食べ歩きをすることになった。



 当日、最初はコーヒーショップで各々好きなドリンクを購入した。その後はコーヒーをお供にクレープや駄菓子屋で購入したお菓子を食べ歩いたり、当初の目的だった写真を撮ったりした。


 街をある程度巡り、丁度よくお腹も膨れたところで咲が最後に一番街に行こうと言い出した。あそこには近くに複合百貨店やカラオケがあったりで若い人たちが街の中で一番多く集まっている。


 数分も歩けば一番街の入口に着いた。一番街はやはり若い人が多く、路上シンガーが弾き語りライブを行っており、観客を沸かせていた。


「まずはカラオケでも行こっか! 」


一番街に行こうと言い出した咲が提案し、私たちもそれに乗った。



 ここまでは私たちは楽しかった。しかし、ここからはそんな楽しかったことなんか記憶から薄れてしまった……


 

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