ジザイ箱

サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ)

ジザイ箱

 じいちゃんの形見の品の中に妙な箱があった。

箱には「ジザイ箱。望みは三回まで!」と書かれている。

望みって…一体? だから何なんだよ!


どんな望みでもOKなのか?

その望みはどいしたら叶うっていうのか?

俺にはさっぱり意味が分からない。


箱には蓋が分からくないどころか、どこが上でどこが下か区別がつかない。

望みのか叶え方すら分からないのだから宝の持ち腐れだ。


得体のしれない箱を眺めていたら知らない間に妹が来ていた。

「お兄ちゃん、じいちゃんの形見はこれにするの?」

「いや、まだ考えてないよ。ただこの箱が何の箱かなと思ってみてたんだ。」

「ふーん。でもこれ望みが叶うんじゃないの?」

「どうやって?」

「そんなの分からないけど、こうさ箱を持って望みを言えばいいんじゃない?《推しのライブに行きたい!》とか。」


その時、妹の携帯の電話が鳴った。

すぐさま妹はその電話に出た。

「えっ?本当?本当にいいの?いくいく絶対行く!」

妹はその電話でテンション爆上がりだ。一体何があったのか…。


妹によると推しているアイドルのチケットを譲ってくれるという内容だったらしい。

妹の推しは今一番人気の注目株らしい。ライブチケットは瞬殺で完売すると聞いている。

それも無料で譲ってくれるというから驚きだ。


妹はこんなことは絶対ない!ありえないもん。

すっごい奇跡だよ!あの箱が望みを叶えてくれたと思う!と言っていた。


俺はその話を聞いてまた箱をじっと見ていた。

何の変哲もない箱だ。言葉が分かる筈もないのだ。

絶対そんなことはないと思った俺は絶対ありえないことを願ってみた。


「彼女が欲しい!デートしたい!」


年齢=彼女いない歴の俺の望み。これが叶うなら信じてもいい!と思った。


三日後…

俺が前から気になっていた女子からデートの誘いが来た。

これまで全然女っ気がなかった俺に彼女が出来たんだ。

そしてデートもしている。自分でも信じられない!


やっぱり箱の言葉は本物か?と思った。

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