マンドラゴラの叫びの原理を解明したい!

 前回の考察で、「叫びを人為的に発生させられれば、その叫びも武器になります」と記しました。


 では、その方法を少し考察していきたいと思います。



 そもそも、叫びとは音であり、音とは空気の振動です。

 そして、叫びと捉えられるほどの音ですから、きっと高い音でしょう。


 物体を振動させる方法としては、物体をこすったり、空気の流れで振動させたり、はじいたり、物体同士をぶつけたり、電気的に物体を振動させたりなどがあります。

 マンドラゴラの叫びはこの中のどれにあてはまるでしょうか。


 まず、確実に否定できる方法が、空気の流れで振動させる方法です。地中に生育する植物ですから、空気を含むことはかなり困難だと考えられます。

 物体同士をぶつけるのも、地中という観点から否定できるでしょう。


 電気的に振動するという方法が、一番考察しやすく面白いと感じられるので、私はこの案を推していこうと思います。


 電気的に振動するのであれば、引き抜かれたときに何らかの方法で強い電流が流れて音を発生させるという仮説を立てられます。



 さて、続いてその電流をどのように発生させるのかを考察していきます。

 電気の発生にはいくつもの方法がありますが、この場合は二択まで絞ることができるはずです。


「摩擦」か「光」か、の二択です。


 摩擦であれば、静かに引っこ抜いてやれば叫ばなさそうですが、そのような方法は提案されておらず、どのように抜いても同様に叫ぶのだと考察できます。


 そのため、電流の発生源は光だと考えることができるのです。


 危険な夜に採集を行うのは困難なため、基本的に昼間に採集されるマンドラゴラは、何らかの光に当たることで電流が流れて強く高い音を発生させるのだと考えられるわけです。



 最後に、この叫びで人が死ぬ原理を少しだけ考えていきます。


 人間はひょんなことで死にますが、音で死ぬというのはなかなか見られない事例です。音で人間が死ぬとすれば、脳機能か心機能が停止する、あるいはショック死に近いものでしょうか。


 ショック死で片付けるのが一番簡単ですが、せっかくですから他の可能性も模索しましょう。

 脳機能を停止させるには、くも膜下出血…つまり脳の血管に損傷を加えられれば可能です。あとは脳挫傷なども考えられます。


 いずれにしても、脳やその奥にある血管を損傷させるには強い衝撃が必要です。

 ですから、脳にだけピンポイントで強い振動を与えるといった魔法のような理論が必要となるわけです。

 ですが、なーろっぱ世界には基本的に魔法が存在するため、そういった都合の良い振動や刺激、損傷の与え方もできるはずです。


 是非、生物兵器としてのマンドラゴラを使ってみてください。

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