第549話 老人にパワーを貰うの話
私が大学生の頃はフュージョンが流行っていた。現代の人にはどんなジャンルか分からないかも知れないが、要するに様々なジャンルの音楽を融合させた物で有り、結論としてはなんでも良いのだ。でもそれがフージョンと名付けられていた。
深夜のラジオ番組でジェットストリームというのがある。今でも継続している。学生時代になんとなくいつもそれを聴いていたのだが、あるときジョーサンプルという人の演奏に出会った。個人的には衝撃で、一瞬にファンになった。当時はレコードの時代だったので中古レコード屋で探して色々と購入した。次の瞬間CDの時代になったので、それからも集めた。
大学の同級生に話すと、一緒にコンサートに行ってくれることになった。私としてはミュージシャンのコンサートは初めてであった。多分スタンディングオベーションが出来るのだろうと思っていたのだが、全くそんなことは無かった。結構地味なコンサートだった。既にジョーサンプルは人気の終焉だったのかも知れない。
それでもその後も、彼の新しいCDが出れば購入した。途中から大分スタイルが変わったこともあった。仕事が忙しくなってからはあまり聞かなくなってしまったけれど、私にとっては大好きなミュージシャンだった。この前亡くなったんだよなと思って調べてみたら1914年75歳で亡くなっていた。約十年目だし、随分と若くして亡くなった物だと思った。
彼の終盤はYOUTUBEでしか知らない。ライブ映像もなんとなくキレが無かった。個人により多少異なるものの年を取れば仕方の無いことなのだろうと思う。それでも、たとえ近所でコンサートがあったとしても行こうとは思わなかったと思う。そんな感じだった。
フージョンの有名人の一人に山下洋輔がいる。彼が今年活動を1度停止すると宣言したそうだと、本日聞いた。彼は今年83歳である。普通に考えればもう引退して良い年だろう。しかし、同じジャズミュージシャンとして渡辺貞夫は92歳で現役だと言うからもう少し頑張った方が良いかも知れない。というのは外野の意見だ。
そして私がYOUTUBEを手繰っていると我々がフージョンとしてなじんでいた高中正義が出てきた。今年3月のロサンゼルス公演だという。現役バリバリと言うことだ。早速見てみた。ギターの演奏は相変わらず素晴らしい。ギターを知らない私からしても雑音も入らず素晴らしい演奏だと思った。
演奏中に歩いているのは、停止した状態では立ち続けることが難しいからかもしれない?途中で注目すべき場所を高中以外の場所に持って行っているのも同じだろう。その間高中正義は座って休んでいた。
しかし私はこの演奏からエネルギーを貰ったのだった。高齢者になっても演奏はピカイチだ。過去の練習の結果は衰えていない。そして、満員の観客席に対しサービスを送り、時代が違うのではないかと思うような若者に元気を与えているのが分かった。
現在私は、著しい影響を直接誰かに与える部署にいない。だからモチベーションも下がりがちである。ではどうすれば良いのか?明日から再度真剣に考えようと思う。
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