第21話 新宿駅西口の話

 東京新都心であり東京都庁が建っている新宿であるが、駅の周りが工事現場になってから久しい。令和2年2020年に地下の東西自由通路ができたが、この工事には8年かかったというから2012年ごろから駅まわりは工事現場の中と化している。現在進められている小田急百貨店の建て替え工事も2012年に始まって2029年までかかるというから、少なくとも17年である。そのあと京王百貨店や、小田急百貨店より古いと言われる小田急ハルクの建て替えが続くとしたら、20年以上続く可能性もありそうだ。その頃には私もアラ8になっているから、工事現場が無くなった街を見ることができるだろうか。などと思いながらインターネットで調べてみると、新宿駅西南地区再開発は道路工事も含めて2040年代まで続くとかいてあった。「代」ということは、まだ工事完了時期は未定ということか?

 小田急百貨店の建て替え工事に話を戻すと、新しいビルは都庁よりも高い建物だという。ホテルは入居せずに百貨店と事務所スペースが広いらしい。西南地区再開発でも超高層が建つというから合計するとものすごい面積となる。駅直結となると賃料も高いだろが、便利さを優先するテナントを物理的に多く収容できるということである。そうでなくても東京では空き事務所が一定数あるから、より一層空き事務所が増えて古いビルが次々に解体されていくのだろうか?

 新宿駅に近い超高層ビルも高年齢化している。超高層のさきがけである京王プラザビルは1968年竣工だというから56歳であり、1970年代に多くの超高層ビルが建設された。だからここ10年で還暦を迎える建物も多いことになる。但し、これらの中には耐震構造に制振装置を組み込むことにより地震に強くする改修工事を実施したものも多いので、そう超高層は簡単に解体することは無いのかなと思う。

 西南地区再開発には京王百貨店がふくまれている。デパート離れが進む中で、小田急百貨店や京王百貨店はどのような生き残り策をするのかも興味がある。ひょっとしたらちょっとしたモールのようなものができるのだろうか。鉄道で行くモール?車離れが若者の中で進んでいるからそれもありかもしれないが、一般のモールのような集客があるとすると新宿は今よりもっと混むこととなるだろう。現在は一日に350万人が利用するらしいが、これは駅として世界一だという。それがもっと増えることを想像すると恐ろしい。今でも私は新宿駅の利用を好まない。ホームは決して広くないのにすごい人だかりである。気持ち的にも物理的にも窮屈で仕方ないし怖くもあるのだが、ホームの構造を変えないままだと、ホームドアも付けられないらしい。建物がひと段落したら鉄道の改革が始まるだろうか?現在は、少なくともJRについては改修するような情報がないのだが。

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