キラキラネームという十字架を背負わされた子供

44年の童貞地獄

第1話 非常識な名前

心愛(ここあ)、空流(くうる)、姫星(きてぃ)、本気(まじ)などなど。


おそらく平成を迎えた頃からだと思うが、自分の子供に日本人らしくないばかりか常識から外れた名前、いわゆるキラキラネームを付ける親が目立ってきた。


私の職場の同僚である星崎秀定もその一人で、来月生まれる予定の息子には「都夢」と名付けるつもりだと嬉々として宣言してしまっている。


星崎も含めて、こういう親たちは自分の子供がどんなふうに育つように願っているのだろうか?


そんな名前を付けられるなんて、実に不憫な子だと切実に思う。

私はそんな変わった名前を付けられて成長した人間をリアルに知っているからだ。


1975年(昭和50年代)生まれの私の世代にも、現在ほど多くはないが珍妙な名前を背負わされた者がいた。


彼らはその時代において圧倒的少数派、いや異端派ですらある名前ゆえに、いやが応にも目立ち、いわれなき不愉快を感じていたのだ。


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