第2話 部屋に入る

 エレベーターから降りると、二人を案内するように部屋のナンバープレートが点滅していた。そのおかげで二人はすぐに部屋に辿りつけた。


「どうぞ、佐藤くん」と田中が礼儀正しくドアを開けて佐藤を先に中に案内した。


 トゥトゥトゥ...トゥトゥトゥン


 ピアノの音が静かに響く部屋。


「当サウナは自動会計システムとなっております」


 電子案内が二人を迎える。部屋番号201号室。


(201号室 マッサージ機付き VOD完備 禁煙)


 部屋はシンプルで清潔感があり、ほどよい広さの空間だった。壁にはサウナやリラックスをテーマにした写真が掛けられていた。


「ここが俺の大好きな場所。静かで落ち着けるんだよね」と田中が微笑む。


 佐藤は興味津々で部屋を見渡しながら、リラックスできそうな雰囲気に包まれていることを感じた。


「静かでいいですね」と佐藤が感心しながら言った。


「そうなんだよ!ここでゆっくり過ごすのもいいんだけど、サウナが最高なんだ!」田中は熱心に語る。


 部屋には快適な座椅子や小さなテーブルがあり、二人は座りながらリラックスした。


「佐藤くん、なにかご飯でも頼むかい?」


 田中は手慣れた様子で防水処置がされた(ビニールに包まれた)リモコンを操作して、テレビからルームサービスを見始めた。佐藤も備え付けられたメニュー表を見た。


「先輩、いろいろメニューがあるんですね」


「まあ、冷凍が多いけど味は安定しているよ」


 田中が佐藤に向き直り、微笑みながら問いかけた。


「先にサウナに入る?」


 佐藤は少し考えた後、満ち足りた笑顔で頷いた。


「いいですね、行きましょう」


 二人は軽やかな足取りでサウナに向かった。扉を開けると、暖かな湿気が迎えた。佐藤は深呼吸をして、ゆっくりとサウナの内部へと足を踏み入れた。


 熱気が身体を包み込む中、佐藤はゆっくりと息を整えながら石の上に座った。最初は熱さに身体がビクッとするが、徐々に慣れてくる。汗がじんわりと湧き出し、身体がリラックスしていく感覚が心地よかった。


 田中も隣に座り、静かな雰囲気の中で二人は穏やかな会話を交わしながら、サウナの中で時を過ごした。汗を流し、身体をリフレッシュさせるその時間は、まるで心身の疲れを一掃するような感覚だった。


 サウナを出て浴室に入ると、部屋の空気が新鮮に感じられた。佐藤は深呼吸をした。


 佐藤と田中はサウナから出て、浴室に足を踏み入れた。まばゆいほどの明るさが部屋を照らし、浴室の清潔感ある空間が広がっていた。その中央には広い水風呂があり、透き通るような冷たさが目を引いた。


「水風呂、気持ち良さそうだね」と田中が微笑んだ。


 佐藤もうなずきながら、「確かに、サウナの後には最高ですね」と答えた。


 二人はそのまま全裸で、水風呂にゆっくりと足を浸した。最初は冷たさに身体がびっくりするが、すぐに心地よい感覚に変わっていく。湯船に浸かりながら、身体の疲れがひとしきり流れていくのを感じた。


「気持ちいい」


 佐藤が笑った。田中も頷いた


「このリフレッシュ感、最高だ」


 二人は水風呂で心身ともにリフレッシュし、サウナの疲れを癒しながら、ゆったりと過ごした。時間が経つのを忘れ、ただ心地よい空間に身を委ねていた。

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