「裸の付き合い」ーサウナで男二人何も起きないわけもなく
『むらさき』
第1話 サウナに誘う男
大学生の佐藤(さとう)は、先輩の田中(たなか)に誘われて都内のサウナに行くことになった。田中はサウナ好きで、日本中のサウナを巡ることが趣味だった。
「佐藤くん、今日は本当にすごいサウナを体験してもらうよ。俺のお気に入りの場所だから、絶対にヤバいぜ」と田中は興奮気味だった。
二人は夕方に都内の高級住宅街にあるサウナへ向かった。到着すると、シックでモダンな外観の建物が迎えてくれた。中に入ると、落ち着いた雰囲気のロビーがあり、静かな雰囲気が漂っていた。
「ここが俺の大好きな場所だ。なんといってもここのサウナ、雰囲気が最高なんだ!」田中は自信たっぷりに話す。
佐藤は期待と緊張で胸が高鳴りながら、田中についていく。
「ここってさ、対面式じゃないから入りやすいんだよ!」
無人のロビーから中に進むと、部屋を選ぶためのパネルが設置されていた。そこに部屋番号と写真が掲示されていた。
「すごいだろ。佐藤くん!VOD(ビデオオンデマンド)もあるんだぜ!」
説明しよう!
ビデオ・オン・デマンド とは、視聴者が観たい時に様々な映像コンテンツを視聴することができるサービスである。
Aクラス(402)露天風呂付 休憩 宿泊
Bクラス(302、401)岩盤浴付き 休憩 宿泊
Cクラス(201、101)マッサージ機付き 休憩 宿泊
「田中先輩、いろいろあって決められないです...決めてください」
「佐藤くん、こういう時はCクラスからが鉄則だ。なにせ今日はサウナだけしかしないからね」
田中は手慣れた手つきでパネルをタッチする。選んだのは201号室 休憩(3h)だった。
「佐藤くん、保湿性のシャンプーや匂いがいい感じのシャンプーがロビーにあるんだけど、どうする?」
「え!そんなサービスがあるんですか?」
「そうだよ。それにドリンクサービスもあるんだ。まあ部屋からいろいろ注文もできるけどね」
二人でうろうろとシャンプーを物色していると、一人の中年男性が気まずそうにパネル付近で部屋を選んでいた。
「ここは顔を合わせないのが紳士のマナーだよ」と田中はコソッと佐藤に言った。
中年男性は手早くパネルを押して、エレベーターに乗っていった。
「先輩、選びました」
田中と佐藤はカルピス系の飲料水を持ってエレベーターに乗った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます