アニメオタクは恋愛を知らない
佗九
第1話 ひどいな…コレ…
「あ、あのっ、わ、わたし勇次郎さんのことが好きみたいで…」
一人の女子がひどく顔を赤面させながら告白している。対して、勇次郎と呼ばれた男は動揺しているように見える。男は細い腕、小さい背とひ弱な印象だが、確かに顔は整っている。
「何で…」
「わかっているんです、あなたが蘭ちゃんのこと好きだってこと!でも!自分の気持ちに嘘つきたくなくて…ごめんなさい、もう我慢できない」
そう言うと、男をソファーに押し倒す。そして、男に無理矢理キスする。薄暗い部屋の中で卑猥な音だけが響いていた。
♪~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「どうやった、恋スト」
「ひどいですね…色々と」
ため息をつきながらパソコンのブラウザを閉じる。そして俺は手元にあるアニメの名前がづらっとかかれた名簿のひとつの枠に×印をする。『恋愛ドキドキストーリー!』俺がついさっきまで見ていたアニメの名前だ。あまりにも安直な題名で笑いそうになる。しかもこんな題名で中身はめっちゃドロドロのエロアニメだ。
「そっか~来月のやつで紹介出来そうにない?」
「出来るわけないでしょうね。エロアニメを紹介するなんて無理でしょう。」
「題名からして青春アニメだと思ったんだけどねえ」
校舎の最上階の端の古ぼけた一室。俺たちはそこでこんな会話をしていた。長年勤めているベテラン教師でも存在を知らないようなこの部屋をアニメ研究部、通称アニ研の部室として使っている。
「どうすっかねえ」
アニ研の活動内容として、月の初めにおすすめのアニメを紹介するプリントを配ることとなっている。これが意外と生徒に楽しみとされているのだ。アマプラとか、ネトフリとかそういうものに入る必要があるが、入っている生徒が多いのだろうか。あと、アニメ以外でも文化祭で漫画を出すなどの活動もあるがここでは置いておこう。また、月ごとに紹介するジャンルを決めており、来月は恋愛ものになっている。だがこれがなかなかのくせ者で納得するアニメが見つからないのだ。
「そもそも俺、恋愛もの好きじゃないんですよねえ」
「え、なんで」
「いや、なんかこいつらバカだろって思っちゃって。ヒロインはすぐ主人公に惚れるし、主人公も主人公で鈍感系とかいって全然好意に気づかないの頭すっからかんなのかなって。『付き合って』とか言われて買い物に付き合うって解釈する人頭おかしいと思いませんか。」
「そうねえ」
「まあ普通に恋ストは作画悪し、内容が薄い、キャラクターの行動に共感できない、声優が棒読みとか悪いところをあげたらキリがないクソアニメでしたよ」
だって、登場人物みんなエロに向かうんだぞ。いつも発情期かよ。しかも恋愛アニメでヒロインの顔が作画崩壊って救いようがないだろ。
「まあとりあえずもう遅いし、帰ろう」
そう言われて時計を見るともう6時だ。ささっと荷物をまとめて部屋をあとにする。
「じゃあ先輩、さよなら」
「バイバイ」
しかしどのアニメにするかなあ。そんなことを考えながら、靴箱に向かっていると女子から突然声をかけられた。
「龍ヶ崎さん!一緒に帰りましょ!」
誰だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて投稿するので色々と慣れてません
龍ヶ崎 大躍紋土(りゅうがさき だいやもんど)…高校一年生。主人公。キラキラネームだが本人は気にしていない。結構イケメン。校則で必ず部活動に入らなければいけないので、楽そうなアニ研に入った。アニメ普通に好きだし。(ちなみに龍ヶ崎というのは作者がかっこいいと思う名字。)
葉隠 桜(はがくれ さくら)…高校二年生。先輩って呼ばれてた人。アニ研の部長。アニメが好きすぎてアニ研を作った。(名字は適当に思いついたので特に他意はない)
アニメ研究部…今回登場した人含めて部員が四人いる。二人は不在。多分そのうち出す。部室にあるPCでアマプラに加入してて、主人公はそれを使ってアニメを見ていた。
???…最後に出てきてた女子。色々とあって主人公に恋している。
マジで見切り発車なので今後の展開全然考えてなかったです。
アニメオタクは恋愛を知らない 佗九 @kobane_takyu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。アニメオタクは恋愛を知らないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます