朧の記憶

@Vientoki

第0章:プロローグ

 暖かい日、鳥のさえずりが私をリラックスさせてくれる。私はこんな日が大好きで、何時間でも、もしかしたら何日でも、ここにいても疲れることはない。私の人生は少し単調な時もあるけれど、それを変えようとは思わない。


 物心ついたときからいつもこうだった。同じ丘の上にあるクロノ村を見下ろす同じ木に寝そべって、空を眺める。小さい頃から、私はいつも見下されてきた。まるで私が彼らの仲間であるかのように、彼らは私を見下すのだ。


 悲しいことだけど、どうしたらいいんだろう。見て見ぬふりをして、すべてを無視するしかない......」マークはある日、祖母になぜ私をそんなに嫌うのかと尋ねたという。祖母はただある話をしたのだと教えてくれた:


「神として知られるようになる未知の存在が最初の秩序を形成し、原子反応が今日の星、惑星、銀河を形成した。数年にわたる絶え間ない進化の後、私たちの惑星に最初の生命体が誕生し、神の目に留まった。


 神は、すべてがどこまで進化するかに興奮し、新しい生物とさまざまな種類の土地を形成することに決めた。空も、地面も、動物も、すべてが神の作品である。


 ある時点で、神はすべてを監督することができなくなり、私たちの進化の証人となる新しい種族を創造することにした。私たちを保護するために運命づけられた種族、天使たちである。


 ある人間が最初の神殿を見つけるまでは、すべてが平和で調和していた。その神殿はありふれた岩で造られた建造物で、階段を下りると道が開ける。


 その奇妙な真珠の輝きに惹かれた翔は、その真珠を手に取りペンダントとして身につけることにした。 その夜以降、ペンダントだけが発見され、翔の行方はわからなくなったという。


 それから2000年後、何の説明もないまま、クロノ村で大災害が始まった。黒い肌で骸骨のような翼を持ち、緑色の目をしたその生物は、いたるところで大混乱を引き起こし、家々を焼き払い、市民を殺した。


 それから数ヵ月後、村人たちの間に存在した調和のおかげで、あの運命的な出来事によって引き起こされた被害は修復された」。


 15年前、あの怪物が私たちを襲いに来たとき、それは私が生まれたときであり、両親を知らずに失った日でもあった。ある日、私はマークと丘に遊びに行き、途中でボールを持ってくるのを忘れてしまった。家に帰ると、2人が私について話しているのが聞こえた。レベッカは、私が自分のことを「ママ」と呼ぶのを嫌っていた。私は本当の娘ではないからだ。


 その時、私はこの村になじめないことを悟った。誰もが私を軽蔑や恐怖の目で見ている。まあ、いずれ見つけなければならないが、今は横になって景色を楽しむことにしよう。


 本当はもっと違っていてほしいんだけど......」。


 -マーク、聞いてもいい?


 - "ああ、どうした?"


 - 死後の世界を信じる?


 - その質問は何だ?


 - 答えてよ


 - "もし、そうだな、神がいるなら、その神のようなものが存在するなら、死後の世界での生活も同様にあるのではないか?"


 でも、もし神様がいなかったらどうするんだろう。それはずっと疑問に思っていたことなんだ。運が良かっただけだとしたら、可能性はあるんじゃない?


 -ねえ、古賀..." マークはため息をつきながら言う。


 -...うーん"


 振り向くと、マークの顔が笑っている。


 -考えすぎはよくないよ。帰ろう、腹減った」。


 - そうだね


 マークは颯爽と立ち上がると、私に手を差し伸べて助けようとする。彼には心配事がないのだろうか。いつも不思議に思うことだが、それとも私の方が辛辣なのだろうか。彼の言葉を信じて、考えすぎるのをやめよう。最近、例えば......といった疑問が多すぎるのだが。


 -マーク、誰も見たことがないのに、どうしてこの物語の神が実在するとわかるの?


 -そんなに質問ばかりしないで、家に帰ろうよ。家まで競争だ、最後に着いた者はもう一人に借りがある。ワン、ツー...」。


 スリーまで数え終わることなく、彼はクロノの村の方向に全速力で走り出した。


 - "マーク、ちょっと待て、これはズルだ!!"


 マーク、ちょっと待てよ、こんなのズルだ!!」そして、私は気づかぬうちに、走りながら、彼が遠ざかり続けるのを微笑ましく見続けることしか考えられず、私は彼に追いつこうと遅れをとったが、彼の姿は影すら見えなかった。

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