アキノリ@pokkey11.1

第?章 卒業式

貴方への想い

最後の箱

小学校4年生の時に最初で最後の恋をしてから俺、横浜修一(よこはましゅういち)は彼女も無しで生きてきた感じだ。

それから俺は多分この先も彼女を作る事は無いだろうと思い。

初恋をして「将来結婚しよう」と約束していた彼女から渡されたからくり(箱)を鍵屋に頼んで開けてもらおうかと思っていた。


その箱は所謂、かなり構造の複雑な箱であり。

暗証番号の4桁が最後に要る。

そうしないと錠が外れないのである。

だけど暗証番号を俺は知らない。

そして彼女からはこう言われていた。


「将来、私の代わりに運命の人が貴方の前に現れると思う。その人から番号を教わって」


その様に、だ。

俺は「?」を浮かべてグリオーマに侵された彼女を涙ながらに見ていた。

それから彼女は直ぐに亡くなった。

享年10歳だった。


名前を当島陽美(とうしまはるみ)という。


それから俺は8年間彼女が居ない。

その事もあって高校卒業をきっかけにして鍵屋に開けてもらおうと思ったのだ。

そして俺はその決心をしてから俺は卒業する学び舎を卒業式の後に見て回っていた。

すると目の前から「先輩」と声がした。


声の主は伊吹。

伊吹めぐる(いぶきめぐる)だった。

俺より1つ下の2年生の少女。

その少女に「ああ。めぐる」と言う。


美術部で大変お世話になったなめぐるには。

そう思いながら「どうした?めぐる」と胸元のボタンを見ながらのめぐるに聞いてみる。

するとめぐるは顔を上げてから笑みを浮かべた。

それから複雑な顔をする。


「先輩。私は...貴方が好きです」

「そうなんだな。だけど俺なんかを好きになっても意味無いと...」

「ですね。そう言うと思いました」

「は?」


「私は実はそう先輩から言われるのを覚悟していました」と言いながらめぐるは俺を見る。

俺は「どういう意味だ」と聞くとめぐるは「先輩。私は暗証番号を知っています。開錠の方法を」と話した。

は?


「待て。何故、暗証番号...っていうか箱の存在を知っている?!」

「簡単です。私はお姉ちゃんの親戚だからです」

「親戚!?」

「私はお姉ちゃんの親戚です。間違いなくお姉ちゃんを知っています、お姉ちゃんと一緒に箱を創りました。からくり箱を、です。良いライバルだった。彼女は。私は先輩と釣り合うのに時間を掛けたかったからバラすのが今になりました。お姉ちゃんとは先輩を巡る恋のライバルでしたけど」


「だけど亡くなってしまった。だから私がその意思を互いに引き継ぐ事にしました。私は貴方が好きですが時間が欲しかったんです。私も一人前になりたかったですから」と話すめぐる。

この親近感はそれ故か。

思いながらめぐるを見る。

めぐるは「そのからくり箱の暗証番号ですが0818です」と言う。


「は?待て、0818って!?」

「お姉ちゃんと私の生年月日です」

「マジかよ。何でそんな簡単な事が分からなかったんだ俺は」

「先輩。その錠は特殊な錠なんです。3回試したら壊れて開かなくなります」


俺は「!」となりながらめぐるを見る。

するとめぐるは柔和な顔で「簡単に開かない様に手前に0を付けたんです」と話す。

俺は「何故だ」と聞くとめぐるは「簡単に開くと困りますから」と笑顔になる。


「からくり箱の中に指輪がペアリングとして2つ入っています。これはお姉ちゃんが購入しました」

「...そうなんだな」

「はい。お姉ちゃんもこだわりがあるらしくです。あはは」

「...何で今なんだ?このからくり箱の暗証番号を言うのは」

「...先輩が卒業してから遠くの大学に行くからですよ。先輩」

「確かにな...」


「だから先輩にお願いがあります」と真剣な顔で迫って来るめぐる。

俺は赤面しながら目を逸らす。

それから「何だ」と聞いてみる。


「先輩。私と真剣にお付き合いして下さい」


その言葉が出た。

それから何かその言葉を受けた瞬間に春風が大きく吹いた。

そして俺はめぐるを見る。

まさかな。


「めぐる。有難うな」

「私は...貴方が大好きです」


そして俺は0818とシリンダーを動かしゆっくり丁寧に数字を入力した。

それから中を見ると。

確かにそこには2つの銀色のペアリングが挟まっていた。


fin

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