閉じる
表示設定
目次
箱の誘惑【KAC20243】
結音（Yuine）
「箱」
あの方は、「決して開けてはいけない」と言ったのよ。
決して開けてはいけない「箱」を何故、手渡したの？
✶ ✶ ✶
あの人は「箱」を開けてしまった。
だから、この世には 苦悩が満ちる。
人を妬んで、争いが起き、
疫病が広がり、理不尽に泣く。
それでも、
箱の底には ひっそりと
飛び出しそびれた「希望」が 眠っていたのだというよ。
ほんとうは、渡したくなかった。
けれども、ここを離れるには 渡すのが決まりになっているから。
渡さずにはいられなかったの。
そこに希望があったとしても、
それは 開けてはならない箱であったのか。
真実を知るためだとはいえ、
明けないほうが 幸せだったのか。
時間の流れは残酷で。
明けてはいけないと言われれば、開けてしまうのが、人間で。
人間の愚かさゆえに、招いたものは
悲しい真実か。
かつての昔話は、今なお その教訓を
我々に暗示しているのか。
「箱」は開けてはいけないよ。
「開けないで」と 言ったではありませんか。
なぜ、開けてしまったの？
ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）
応援したユーザーはいません
応援する
アカウントをお持ちの方はログイン
カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。
新規ユーザー登録（無料）
カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック！
カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう！
応援すると応援コメントも書けます