#1 ギルド移籍編
プロローグ
2030年1月1日、巨大な隕石が地球に大接近、来月頃には地球に衝突する可能性があると突如国際機関から発表された。
直前になって緊急事態だと宣言が出ただけに、人々はそれを宇宙人の襲来や大災害の前兆だと噂しては怯え、来たる「Xデー」に怯えるばかりであった。
そして、同年2月5日……。悪い予想通り、隕石は確かに地球の空に現れた……が、幸い、かつ不思議なことに、市街部や人命への被害は想定されていたものを遥かに下回ったのだ。隕石は大気圏で燃え尽き、無数の光球となって世界中に拡散、その後も当初は異常気象や地殻変動、生態系の変化など心配されていたことは何一つ起こらず、平和な日常の中でいつしか人々は光球のことなどとっくに忘れてしまった。
だがある日、突然奇妙な現象が発生する。光球が飛来してから数週間後、ごく一部の人間の顔には魔法陣や英単語などのタトゥーやアザのような模様が現れ、彼ら、彼女らはファンタジーの世界でよく描かれる「魔法」を使えるようになったのだ。だがその模様を認識できるのは同じく模様を持ちし者のみ、他の者からはそれを認識するどころは不可能であった。
やがてそれを悪用した犯罪、事件、クーデター等が多発し、世界中の治安は瞬く間に悪化してしまった。魔法という大多数の人にとっては未だに架空の存在と認識されている能力に対抗することなど不可能。世界中はまさに地獄と化すこととなる。
そして、さらに追い打ちをかけるかのように、これらの奇妙な現状はやがて自然界にも現れ始める。オーク、スライム、ドラゴン……時折「魔物」が出現するようになり、生態系も自然界の危険も大きく変化してしまったのだ。それにより人類は、太刀打ちできない恐怖へと怯える毎日へと逆戻りすることとなる。
だが、人類もただ絶望するだけで無かった。モンスターや能力を悪用する人類を討伐する、いわゆる「ギルド」が多数設立され、属する彼ら、彼女らは脅威に対抗する希望の星となった。中でも米川リュウゴという少年は、能力者系インフルエンサーとして活動し始め、魔法を使って良くも悪くも、多くの人から注目される存在になっていた。そして、やがて彼は世界の命運を背負う存在になるのだ。
これは宇宙から舞い降りし光球がもたらした、最凶で最悪な時代を生きる者達の不思議で壮絶な戦いの物語である……
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