あなたが「書き出し祭り」に参加するモチベーションは?
ところで、第22回の参加者募集がかかるタイミングで、こんなことがちょっとだけ話題になりました。
「書き出し祭りの参加者(作者)が投票していない場合、ペナルティを課すべきかどうか?」
これを見た時、私は「うわ、出たよ」とまず思いました。投票ってそもそも強制させる行為じゃないし。投票率を1にしたい(=少なくとも作者には全員投票させたい)と主催が言っていましたが、1にしてどんないいことがあるのか、パッと思いつかなかったのもあります。ネガティブな変化が予想される事柄に対しては、メリットも併せて提示してもらいたいところですね。
ちなみに語感で分かるかもしれませんが、投票強制化に対して私は反対の立場です。何も子どものイヤイヤ期みたいに理由もなく反対しているわけではなく、本当に公正な投票を実現しようと思うと、25作品×4会場=100作品を読まないといけなくなり、多大な労力が発生するからです。残念ながら書き出し祭りにそこまで時間を割く情熱は私にはありません。
普段の私の投票行動としては、まずざっとタイトルを眺め、気になったもののあらすじを読む。あらすじは斜め読みに近いですが、そのうえで気になったものを順番に読んでいく。投票は読んだもののなかから選ぶ、と決めています。読んでいないものにえいやと票を入れるのは不誠実だと思っているので、会場あたり読んだ作品が2つ以下であればそもそも投票していません。もうちょい読めよと思われるかもしれませんが、それは書き出し祭りという特殊な場だから、何となくそれなりの数の作品を読んでいるわけで、普段タイトルとあらすじで「うーん、not for meかな」と思った作品を読みますか、という話です。
書き出し祭りは勉強の場なんだから読めば読むほど力がつくのに、と言う人もいますが、正直それは「じゃあ読みます」というモチベーションにはなりません。少なくとも私の場合は。面倒なことに、10年くらい物書きとして活動してきてある程度文章の「型」が自分の中で確立しているので、致命的に自分と異なるとか、読みにくい文章作法で書かれている作品も一定数見つけてしまいます。それにぶち当たってしまうと結構しんどくて、一緒に執筆意欲も持っていかれるので、あんまりいいことがないんですよね。「あぁこのネタいいなあ」とか、「こういう発想面白いな」と思って採用することはありますが、「勉強になったな」という気持ちには正直あまりならないです。いや、それは態度の問題か?
そもそも私は他人の作品を読むことが苦手です。特に他人から一度おススメされたものだと、「感想を言う・書く」ことがある程度の義務としてついて回るので、それに苛まれてしまいます。手放しに誉めるだけなのも本人のためにならないし、かと言ってボロクソに言っていいわけはないしで、なんとも歯切れの悪い感想しか言えなくなります。それが嫌なのです。「書き手ならではの視点での感想」だと褒めてくれる人もいるのですが、うーん、どうだかなあ。その人の厚意を無碍にはしたくないですが、これくらいなら他の人でも言えるのでは、と思ったり。
他人の作品を読むことがインプットにつながるのは間違いないでしょうが、大学生になってからめっきり紙の本を読まなくなってしまい、すっかり抵抗感がついてしまいました。漫画とか旅行などによる直接的体験とか、そういうものでもインプットはできるしそれでいいじゃん、と言って逃げているような気もするのですが、やっぱりどうにも自発的以外で本を読むのは苦手かも。
では書き出し祭りにいったいどんな情熱でもって参加しているのかというと、「自分の思いついたネタがウケそうか知りたい」、その一点に尽きます。ご存じかもしれませんが、私は黙々と大量の短編をお出しする人間で、実験的に「これどうかな?物議醸すかな?」と思ったネタもあえて出したりしますが、それだけでは自分の中にある「ウケるであろう軸」と、もっと一般的な「ウケる軸」とのすり合わせは難しいと思います。そこで、比較的物書き多めな場に自作を出してみて、反応を見てみようというのが狙いだったりします。順位を競う気は全くなく、むしろ「せっかく他人と勝負しなくていい物書きっていう趣味なのに、なんでこんなところでまで勝負しなきゃいけないんだよ」と思っています。そもそも負ける可能性がある勝負をするのが嫌いなので……。
なんだかこんなことを書いていると、「お前なんで書き出し祭りに参加してるんだよ」と言われそう。なんでなんですかね?何か合理的な理由をつけられますかね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます