映画


       ー映画館ー

映画館に着いた。

僕の右手には握りしめたチケット、左手には軽く握った彼女の手。


「映画は好き?」


彼女はこう答えた。


「好んで見るほどでも無いけど、気になる話があったら見に行く程度かな〜!」


僕は安堵した。

映画についてはリサーチできていなかったから、映画嫌いだったらどうしようと思っていたからだ。

今回はとりあえず今話題のドキドキが止まらないという恋愛映画を見ることにしたが、

案の定客席はカップルで溢れかえっている。

自分がカップルになったことを改めて実感した。




いよいよ映像が流れ始めた。

いろんな映画の広告が流れる。


広告が一通り流れ終わった後で注意喚起



【禁止事項】

上映中に携帯等で音楽を流さない

他のお客様の迷惑になることをしない

館内で買った飲食物以外は持ち込まない

上映中は大声で喋らない

上映中は撮影しない



本編が始まった。

本編は高校生の幼馴染二人が恋におちてその駆け引きの様子を描いたものだ。


見ていて思わずキュンキュンしてしまった

すると彼女がぼくの手に左手をかざした。


(これはあれなのか?!あのかの有名な胸キュンシーンで手を握るっていう!あれなのかー?!)

僕の心臓はバックバクに高鳴った。

一か八かで彼女の手を握ってみた。


その後は彼女の手を握ったまま、特に何も無く映画が終わった。


「面白かったね〜!」

と彼女は言った。

僕は同意の返事をして、外に行かないか?と促した。

公園のベンチに座り、僕はさっきのことについて話し始めた。


「えっと‥‥‥

 あの、その‥さっきって合ってた?」


「なんのこと?」


「いや‥‥その、

 僕が手を握ったから、違かったら謝りたくて‥‥‥」


「あぁ~!

 あれね!合ってるよ?嬉しかったし…!

 なんか恥ずかしいね今考えると(笑)」


「そんなことないよ!(笑)僕も嬉しかったし!」


どうやらさっきのは合っていたらしい。

僕は安心感に包まれた。

彼女に嬉しいって思ってもらえたこともそうだし、何より同じ気持ちだったのが嬉しかった。


「あのさ!カフェでお茶でもどう?おすすめのカフェがあるんだ〜!

ここからすぐだから今から行かない?」


「私もお茶したいな〜と思ってた!いいね!行こっか!」


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