漆話 「こいつ、ないわ」
チョコプラくんとのLINEのやり取りはその後も続き、十二月の或日。
「営内を出てアパートを借りましたので、鍋パーティーやりませんか?」とのお誘いがありました。
タイミング良く、チョコプラくんとの休みが合致し、チョコプラくんは先輩を誘うと言うので、私も友人を誘い、お邪魔する事になりました。
当日、約束の時間に訪問。
中へ入ると、国防男子達は、キムチ鍋やだし巻き卵など、色々な手料理を準備してくれていました。
感動しながら、「初めまして鍋パーティー」がスタート。
私も友人もお酒が飲めない体質なのですが、飲む人のテンションには余裕でついていけます。
というか、超えます。
話も盛り上がり、すぐに皆打ち解けました。
チョコプラくんの先輩は私の一つ下で、布袋寅泰似の、ノリは良いけれど落ち着いており、自然に周りの空気を読める、とても良い方でした。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰り支度へ。最後にLINEグループを作りました。
国防男子達を、駐屯地に無事送り届け、それから数分車で走った後、すぐさまグループLINEにメッセージが入り始めました。
私は運転中でしたので、助手席の友人がLINEを読み上げます。
今日は楽しかった事、又、必ず遊ぼうといった内容。最後は、友人が
「
その時、私は帰り際の出来事を思い出しました。
布袋先輩と私は先に玄関を出て、友人とチョコプラくんが出てくるのを待っていました。
すると布袋先輩は、話の最中で、私の頭をポンポンと撫でて来ました。
嫌な気はしませんでした。
ですが、私の人生の中で、出会ってすぐに頭をポンポンして来る男性は要注意人物。
固定観念は、決して良くありません。
でも、その時は、思ってしまったのです。
「こいつ、ないわ」と。
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