弐話 「最後のお別れ」

 急性期の病院で忙しく働いていた当時。 

 休みの日も廃人のように過ごしていました。


 もう、限界だ――


 そう思い、亜急性期の病院へ転職し、プライベートにも少しだけゆとりができました。 

 女友達と過ごしたり、両親と出掛けたり、飼い猫とのんびりする時間も増え、幸せ絶頂。 

 それから程なくして、お付き合いしていた歳上男性とお別れしました。


 冷めたんですよ。


 ああ、もう、疲れちゃったなあ……と。 

 色々な事の積み重ね、ですね。


 私の基本性格はHSPで、相手が発する、凄く細かい表情や声のトーン、纏う空気まで汲み取ってしまい、落ち込んだり悩んだり。 

 かと思えば、たまに中身男性バリ、いや、オッサン並み。

 はっきり言って面倒臭い女なんですけれども。


 その歳上男性の一番嫌になってきた所は、女性らしさを重視する、モラハラ要素と、結構強めなナルシスト部分。


 ああ、うんざりする。


 沢山の色々が積み重なって、或日。 

 きっかけは、何でも良かったのかもしれません。


 ああぁぁぁっっー!! もう、たいした顔も良くないオッサンが! 

 細けー事、うじうじうるせぇんだよ! 

 毎回毎回、歩いてる度自分が映った姿見てカッコつけてんのバレてんだよ! 

 気持ち悪いんだよ! 

 ついでに、(自主規制内容)だよ!!


 と、心の中では存分過ぎる程の暴言を吐きながら、


「別れたいと思います」


 と、お別れをしました。


 けれども、四年近く、御世話になりました。

 ありがとうございました。 

 スッキリしました。


 今はもう、顔を見ることも、無いでしょうけれども。

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