雑学好きの異世界放浪
ひぐらしゆうき
プロローグ
1
王道のテンプレというものがある。僕はそういうものは好きであるがどことなく気に入らない感情もある。
王道の流れがあるというのは定番だから物語を理解しやすいし、進み方もおおよそわかる。もちろんそのせいで内容が似通って見えたりもする。だからこそストーリーやキャラクター、諸々の世界設定なんかでうまく差別化する発想が必要になるわけだ。
と、こんなことを語っているが別に僕は物語を書いているわけでもないし、ゲームを自作したりなんてしていない。単なる雑学収集が好きな高校三年生だ。
受験勉強に学校行事の運営手伝い、委員会の仕事等々非常にストレスフルな毎日を送っている訳だ。だからたまには現実逃避したいこともある。
そんなときに漫画を読んだりゲームしたりするのは悪いことではない。しかし、そんなことをしているなら勉強しろと親が口うるさく怒鳴ってくる。言い返したりはしないが、心の中ではストレス発散くらいさせろ!あんたら大人は仕事で疲れているときに、仕事を上司に投げられて休んでいる暇があったら仕事しろとか言われたらどう思う!パワハラだとかブラックだとか言って愚痴るだろう!そういう気持ちになるのは分る筈なのに言ってくるのはどうなんだボケッ!くらいは思っている。
……なんだか話が脱線しだした。これも普段からかかっているストレスのせいなのか、今いるこの場所、この状況に頭が混乱して日常を思い出して平静を保とうとしているのかもしれない。
「……本当に、こんなことあるもんか」
現実逃避はしたくなるものだ。だけど、実際に現実世界からかけ離れた場所にやってくることになるなんて思いもしなかった。
時間は少しさかのぼる……。
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