記念日の贈り物

記念日の贈り物

本命の彼氏からプレゼントが届いた。

今日で付き合って3年の記念日を迎えた私たち。

本当はそろそろ結婚の話とかも出てきたりするのかなぁとも考えていた。

でも彼は出張で一泊すると言っていたので今日は会うことは出来なくなった。

私は予定を入れていたので彼からの急な贈り物にとても驚いた。

私は酷くドキドキしている。

何が入ってるんだろう。

深呼吸しながらゆっくりと開封していく。

開けてみると、一回り小さい箱と手紙、写真が入っていた。

『愛花 僕と出会ってくれてありがとう ゆうじ』

付き合って初めてのデートの時の写真で、この絶妙に引っ付ききらない距離感が懐かしい。

私はその手紙と写真を取りだし、次の箱を開く。

そこには一回り小さい箱と手紙、写真が数枚入っていた。

『愛花 付き合って1年、箱根旅行楽しかったね！ ゆうじ』

箱根旅行の時の浴衣姿の私とゆうじや景色の写真が入っていた。

私はその手紙と写真を取りだし、次の箱を開く。

そこには一回り小さい箱と手紙、写真が入っていた。

『愛花 付き合って2年！ おうちでパーティーだったね ゆうじ』

家で飾りつけをして、ホールケーキを用意してくれた記念日を思い出す、ホールケーキを見せびらかすような私の写真等が何枚か入っていた。

私はその手紙と写真を取りだし、恐る恐る次の箱を開く。

そこには小さなリングケースと手紙、写真が入っていた。

『愛花 付き合って3年！ お家デート楽しんでね！ ゆうじ』

そこには私が玄関先で彼を嬉しそうに出迎える写真、彼と車でデートする写真、ホテルに入る写真が入っていた。

小さなリングケースを開けたけど、指輪が入っていたような凹みはあるが、中身は空っぽだった。

写真、リングケースの他にビリビリに破かれた婚姻届が入っていた。

後ろから彼が私を呼ぶ声が声が聞こえる。

「愛花ー、大丈夫〜？ 荷物なんだったー？」

「あ、ヨシくん、なんでもないの！」

ヨシくんの住所に届いた私名義のそのダンボールを震える手で隠す。