第47話 共闘ですわ
ガルロンと2回目の話し合いの結果、3年後にまた魔剣が光るので、その時に集まったメンバーでダンジョンへ突入し、女神を殺すスケジュールで動くことになりましたわ。
「ところでナロローザ王国に対して周辺諸国が共闘するという話が浮上しているが大丈夫か?」
「大丈夫ですわ。ガルロンも毛利家の3本の矢の話は知っているでしょう?」
「3本の矢?まあ知ってるが……いや今の話と関係ないだろ」
「関係ありますわよ。矢を1本ずつ折るのでは時間がかかってしまいますが、矢を3本ずつ一気に折れば3倍の速さで矢を折ることが出来ますわ。雑魚がいくら束になろうが無駄ですわよ」
アーセルス王国にも宣戦布告をしているので、周辺諸国から共闘のお誘いは来ているようですがガルロンが拒否しているので拒否されているみたいですわ。これガルロンはアーセルス王国内で相当な権力を持っていますわね。
ついでに暴君ムーブをしてガルロンの屋敷にあった矢を3本まとめて折ったらガルロンが震えていましたが後でお金は払ったので大丈夫ですわよ。元々屋敷に置いてある武器や防具は値札も一緒に置いてありますが、どれも良心的な値段ですので買い占めたいぐらいですわ。
アーセルス王国は国境線に要塞群を持っていますし、攻めて来て欲しい国なのでこちらからの侵攻はしなくても良いですわね。戦争状態ではありますが、普通に人の行き来が復活し始めたのは残念ですわ。
「……中々に強そうな人間が集まっていたな」
「まああそこにいたのは元々強かった転生者が魔剣を持って更に強くなったという人が多そうですし、ダンジョンでの戦力にはなりそうですわね」
「3年後か。こちらもそれまでに戦力を集めて下層へ向かう」
「……細かい日程の調整は私がしますので、上手く共闘出来ると良いですわね」
メルトとはガルロンの屋敷を出たあとで「3年後までにもっと強くなる」と言って飛び去りましたわ。ガルロンが魔族の敵っぽい言い方をしていましたが、あの屋敷で暴れても面倒なことにしかならないと察して大人しくしていたのでしょうね。それに、女神が共通の敵であることは変わらないので見逃した可能性が高いですわ。
「……結局、魔族とは仲良くするのですか?」
「いえ?情報だけ貰ったら後はポイしますわよ?」
『聞こえているぞ。俺らのことを使い捨てにするつもりか?』
『私に使われるだけ感謝しなさい』
『ぐ、すいません俺なんかを使って下さりありがとうございました……?』
メイとの会話で、魔族と最終的に仲良くするつもりはないと言うと飛び去ったはずのメルトから念波が届きましたわ。盗み聞きされるのは構わないのですが、どうせなら最後に試しましょうか。前と同じように、こちら側が念波の出力を上げてメルトの脳を攻撃すると、前より対策が出来ているのか思っていたよりダメージは無さそうですわ。
まあ、慣れれば打ち消すのは楽ですからね。初見殺しにはなりますが、魔物相手とかだと効果も薄いので、存在を知らない対人限定の攻撃ですわね。
完全にメルトの気配が消えたのを確認してから、私もメイを抱えて魔剣で飛びますが、アーセルス王国の王都上空を飛行中に突如としてアーセルス王国のワイバーン部隊が現れて追いかけてきたので鬼ごっこ楽しかったですわよ。最高速度も試せたので有意義な時間でしたわ。
「あ、魔力が切れましたわ。このまま落下するしかないですわね」
「リディア様!?」
しかし逃げ回ったために途中で魔力が切れたので、ちょうどナロローザ王国の国境付近に落下しますわね。上空600メートルぐらいの高さから紐なしバンジーというか、パラシュートなしスカイダイビングですわ。まあ2人とも落下には慣れているのでこの程度のトラブルなら大怪我もせずに済みますわよ。
「ここは……?」
「アーセルス王国から見て東、ナロローザ王国から見て南にあるロズワルド公爵領とナロローザ王国の国境付近ですわね。……あれ、私が指示を出して作らせた城ですわよね?」
「バクジット城を一回り大きくしたようなお城ですね」
わりとド田舎の辺境にも指示通りお城が建っているということは、腐敗とか中抜きがされていないということなので、非常に残念ですわ。いえ、まだあのお城が外観だけのはりぼての可能性もありますわね。まあ、緊急事態なのであのお城に泊まる流れになりますわ。泊まるついでにお城の中身を見て、駄目でしたら領主とお城建設の責任者を追放ですわよ。
とりあえず城に近づくと、門番らしき存在がいましたがこんな辺鄙な場所なのに屈強そうな男が3人もいますわね。……これは私がアポなしで突撃したら、主君の主君を名乗る不届き者として、捕らえられ凌辱されるチャンスですわね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます