箱太郎の秘密

くらんく

第1話 箱太郎

「おかあさん、ぼくの名前ってどうやってつけたの?」


「それは……、お父さんに聞いてちょうだい」


 母は小学生の私からの質問に答えなかった。


「お父さん、ぼくの名前の意味ってなあに?」


「ええと、なんだったかなあ……」


 父は困った顔をしながら、忘れたフリをしていた。

そんな両親が、私の18歳の誕生日に大事な話があると真剣な表情をしていたので、ついにこの日が来たのだと私は確信した。


「箱太郎……、お前は箱から生まれたんだ」

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