マドレーヌ

 マドレーヌ。それは卵、砂糖、小麦粉、バターなどを混ぜ合わせて焼いた、貝をモチーフにした洋菓子。貝は縁結びの象徴とされているため、異性にも同性にも使える贈り物。


 笹竹ヨウは菓子製造業で働く二十五歳の男。今はバレンタインに向けて、田舎町の菓子メーカーは力を注いでいた。そんなる日、ヨウは新作マドレーヌの開発員メンバーに選ばれた。そこには、ヨウの高校の先輩である長田ミズキの姿もあった。長田はヨウ高校入学時から憧れている先輩の一人。いつも屋上で寂しく佇むその姿に、未了されていた。


 新作開発に与えられた期間は一年。その間、開発員らはマドレーヌを食べ続ける。そして一線を越えると、別のお菓子が異様に輝いて見えると聞いたこともあった。でも、ヨウは憧れ続けた人と仲良くなるためにマドレーヌを食べ続けると誓った。マドレーヌには、あなたと仲良くなりたい。という意味が込められているのだから。

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