第11話
「あの…あの…」
「俺次の試合があるからちょっと後でもいいか?じゃ」
「あっ…待ってください!」
「後で入り口前で集合な!そのあと一緒にゆっくり話そう!」
そう言って中村は行ってしまった。
「中村先輩と…待ち合わせ…二人きり…もしかしてその後…ぶつぶつ」
コチラはコチラでヤバい考えの人もいるが…
「第三戦目、開始!」
コチラは剣魂で瞬殺。
相手は中村の知らない人であった。
「第四戦目、開始!」
「すみませーん!相手が中村選手なので棄権しまーす」
そんなことが5戦程続いただろうか。
やっと真面目に戦ってくれる奴が現れた。
剣術の神とも呼ばれた
「第九戦目、開始!」
「『スキル』【剣魂】」
剣に魂が宿る。
「【ファイアーソウル】!」
火の玉に魂が巻き付いたものが博人に向かっていく。
「こんなもん剣で防いでやる」
博人の持っている剣は、世界で一番頑丈で大きな剣と有名だ。
だが、博人は才能があると小さいことから褒められ、練習などいらないと練習しないことを強いられて過ごしてきた。
自分が最強なのだ。
自分に敵対するものなどいない。
魔法の得意なものですら自分に勝てない。
努力などしなくていいのだ。
ドォォォン!!!
大きな音とともに何かが…博人が飛んで行った。
「なぜだ…何かに叩かれたかのようなこの痛み…なんなんだ…」
「才能だけで勝とうとする奴に努力してるやつが負けるわけねぇっつーの」
博人も
「そういう奴らを何度も俺は見てきたんだ。そういう奴は大体練習してねぇ。だから人対人の時に勝てねぇ。いくら素振りをしたって実際にしなければ何にもならねぇんだよ」
「くっ…神に敵対するこの力…仕方ない…俺の負けだ」
智派と博人の違うところは一つ。
博人は負けをバネにできる。
中村はココからもっと強くなることを期待していた。
「俺はお前の次のステージで待っている。お前ももっと強くなっていつか再選しような。約束だぞ」
「ああ。神とまで言われた俺が負けるか…恐ろしい実力だ。中村…」
「勝者、中村選手!よって、王者は中村選手に決定です!」
またもや拍手と歓声に包まれる。
そこで実感する。
俺は勝ったんだ…
俺は負けたんだ…
俺はまだまだだったんだ…
私はもっと頑張らなくちゃ。
それぞれの成果に拍手と歓声を上げる。
これからどんどん成長していくであろう…
剣士という一つの
代表としてきっと活躍してくれるだろう…
王者インタビューを終えた中村が向かったのは入り口。
「よっ、遅くなってすまんな。桜野」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます