第6話

苑麻そのまなり

彼は魔法科向きだと言われていたが、自分の意思で守備科に参加している。

両親や友達にも、「出るなら魔法科で出て」と言われていた。



栗美亜くりみあ夏美なつみ

彼女は、控えめに言って魔法の才能がない。

攻撃向きなのでこちらも剣士科を進められたが自分の意思で出ていた。



「夏美、魔法は任せろ。攻撃を頼んだ」


「何よその上から目線な感じ。私がいなきゃ勝てないくせに…」


2人は一応幼馴染である。

なのにもかかわらず、仲が悪い。

だが、喧嘩するほど仲がいい。実の実は、両思いである。



「雷、頑張ろうな。作戦は十分に練った。魔法が使える奴は一人しかいない」


「ああ。わかってる。俺は元々情報科だぜ。相手の情報は誰よりも分かっているはずだ」


「よろしく頼むぜ」



中の悪い二人に比べたらこちらはさっき会ったばっかりなのに仲が良い。


「『スキル』【カラクリ】」


カラクリを使ったのは成。

相手の感覚を狂わせる。


「わっ!何だこれ!目が回る!」


「大丈夫か雷!【治癒魔法】!」


「ありがとう。治ったよ」


「なっ!カラクリを治癒魔法で直しただと?!くっ…悔しいがこいつらレベルが高い!夏美!よろしく頼んだ!」


「オッケー!ほんと成はあたしがいないと何にもできないんだから」


「後で覚えとけよっ!」



夏美の術で相手にダメージを与えながら成が回復させてまた夏美が攻撃…

それを繰り返していた。

成のカラクリは俊の魔法で治ってしまうので使わない。


「成ッ!私、スキルをゲットしたの!使ってみてもいい?ありがとう!使うね!」


「全くアイツは…許可出してねーっつうのに…許可出すこと見越してきやがった…」


「『スキル』【病み上がりの剣士】」


『スキル』【病み上がりの剣士】は、60分間の間、相手に与えるダメージと魔力量が二倍になるというもの。その後30分間動けなくなる。



「おい雷!病み上がりの剣士を使ってきやがった!気をつけろ!60分耐えきるんだ!」


「おう!上級魔法、【ファイアーボルト!】」


ファイアーボルトは、上級魔法の中でも難しい。

炎と雷が混ざり合い、大きな玉となり相手の方に飛んでいく。

その後、地面に当たると周りへ広がり、中から火の玉が飛んでくるようになる。



「やばっ、夏美!ファイアーボルトだ!気をつけろ!」


「こっちは今スキルで無敵状態だから大丈夫!」



そう言うとファイアーボルトを手で切ってしまった。


「くっ…俊!よろしくな!」


「やっと出番きた…よし!ココは張り切ってやろうじゃん!上級魔法、【ドリームビーム】×『スキル』【空手裏剣】!」


ドリームビームは、当たったものを10分間、眠らせるというものだった。

空手裏剣は、百発百中の手裏剣を投げる事だ。

どんなに硬い防具も勝ち割ってダメージを負わせる。

この二つを合わせると必ず10分間眠ることになる。


「よし、これで2人は寝た。今のうちにダメージを!」


「分かってるぜ。【ボルト】!」


ドォォォオオン!


2人の上に雷が落ちた。


2人の状態は…

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