箱に秘められた真実【KAC20243】

第3話 血まみれのナイフを手にして立ち尽くしている

　美咲との出会いを経て、健太は親友・翔太の遺した手がかりを追うことを決意する。美咲の叔父が事件に関わっている可能性が浮上する中、健太は45年前に起きた美咲の祖父殺害事件の真相に迫っていた。

　そして健太は、信じがたい事実を健太の日記から突き止める。美咲の祖父を殺害したのは、他ならぬ美咲の父親だったのだ。

　しかし父親もまた1年前に変死していた。この2つの事件は、まるで表裏一体のように繋がっているようだった。

「まさか、美咲の父が祖父を…。一体全体どういうことなんだ…」

　動揺を隠せない健太だったが、美咲の叔父を訪ねることを決意する。真相解明の鍵を握るのは彼しかいない。

　叔父の家に到着し、ドアを開けた健太が目にしたのは信じがたい光景だった。

　部屋の床に倒れ込む叔父、そしてその胸元に突き刺さる血まみれのナイフ。そのナイフを握りしめているのは、他ならぬ美咲だった。

「美咲…君まさか、どうして…」

　健太は言葉を失い、立ち尽くす。美咲はゆっくりと健太に振り向くと、涙を浮かべて言った。

「ごめんなさい健太君、でも私にはこうするしかなかったの」

　そこには、健太の知らない美咲の決意と覚悟があった。3つの死に隠された真実、そして美咲の抱える孤独と苦しみ。すべてを理解した時、事件の全貌が明らかになる。

「美咲、私は君の味方だ。全部話してくれ」

　健太は美咲の肩に手を置いてそう言った。親友の遺志を継ぎ、真実と向き合う。迫り来る警察のサイレン。

　物語はクライマックスへと向かっていく。