ある転生者の苦悩()

 エリーとトトリ(そう呼ぶように言われた。いつの間に好感度を稼いだんだ?)と一緒に行動するようになって数日。俺にとってはいつもの、双子にとっては初めての邂逅があった。


「みつけたわよリオ! きょうこそはお◯ん◯ん見せてもらうんだから!」


 取り巻きを引き連れ恥ずかしいことを大声で……この世界では恥ずかしくないのかな? 要求するのはこの街の俺等の年代のガキ大将だ。

 まぁ端的に言えば俺はいじめられていたことになるのかな? 俺は全然そうとは感じていないが。恥ずかしい要求をしてくるから逃げる俺をみんなで追いかける鬼ごっこもどき。まぁそれが週一位の頻度で起こっていた。まぁおかげさまで年上の女の子二人のタックルに耐えられるくらいには鍛え上げられてるのだから俺も楽しんでやっている。役得もあるしね。……捕まればクッコロになるのでそれの回避には必死だが。


「何よあなた。私達の天使ちゃんに何言ってるのよ!」


 といって俺をガキ大将から守るように立ちふさがったのはエリーだ。

 そこから始まる口論……から取っ組み合いの喧嘩までそう時間はかからなかった。それを制したのはやはりというかなんというかモブはヒロインに勝てないんだなーと思わされるようにエリーの勝利だった。ただまぁかなり激しくやり合ったらしく服は半脱げで小さなさくらんぼが見えるか見えないかギリギリという……ゴホンゴホン、俺はエリーに近寄って髪と服を整えてやる。その時例の物をバッチリ拝んでしまったのは完全なる事故である。誓って故意ではない。


まぁその後は例のガキ大将の子に謝ってもらったり。ガキ大将の子の名前を聞いたり(名乗らなかったから名前知らなかったんだよねー)この年代の代表がエリーに決まったりした。


 ちなみに鬼ごっこもどきは週一で今まで通り開催されることが取り巻きたちの強い要望で決定された。ナンデダロウナー。ボクハナニモシテマセンヨ?





 そんなこんなで一年が過ぎた。この一年、俺のそばにはいつもエリーとトトリの二人がくっついて周り二人の距離感がおかしいこともあってまぁ程々に幸せな一年だったと言っておく。……うそです。むっちゃ幸せです。だってさー物語のメイン張れるくらい可愛いい二人が男という存在がほぼいないから女の子同士の距離感で四六時中ついて回るんだぜ。こんな幸せ前世では味わえるわけがない。ある意味男子減少世界バンザイってとこだな。まぁ残念なことといえば他の女の子との交流が減ってしまったことだなー二人には劣るとはいえ十分可愛いし寝取られる心配がないという意味ではいい相手なんだがなー。

 で、最近の悩みといえば何故か3人一緒のベッドで寝るようになったことだ。母さんからしてみれば社会に出たら価値を低く見られる男という俺を保護してくれる相手が見つかってばんばんざいってとこなんだろうけどさぁ……3人が並んで寝れるようにオレの部屋のベッドのサイズをアップするのはやりすぎだと思うんだよ……お陰で2日とおかずに二人は泊まりに来るようになるし……それに勃起も精通もまだだけどなんか一緒にいるとムラムラするようにはなってきたから抑えるのが大変なんだよ。それに二人の体つきもちょっとずつだけど大人に成長していくんでもういつ理性のダムが決壊するのかちょっと自身がないです。手を出したら出したで寝取られたときのダメージがグーンとデカくなるでしょ?だからねー……


 左右を見やれば幸せそうに寝息を立てる双子の姿。右にエリー、左にトトリが最近の定位置だ。まぁこんな悩みは贅沢な悩みだってことはわかってるんだけどなー。男と女の間で子供を作るには特定のダンジョンから出るレアアイテムが必要というのが俺の未来を暗くさせる。それはつまりゲームの通りダンジョンのあるところに行かないといけないということだ。そしてそこにはゲームの寝取り主人公がいる可能性が高くて……はぁー……俺の未来は暗い。今が幸せなほどそれが壊れるとわかっているのがつらい。……ねるか。願わくば10歳の天職の義で俺にマジカルおにんにんがやどりますように……









 クチュ、クチュ。


 うわートトリのやつ俺が眠ったと思っておっぱじめやがったぞー。まぁ100歩譲って俺の隣でそういうのをするのは良しとしよう。だが俺の左手を股間に挟んで道具にするのはやめてもらいたい! 抑えられなくなるだろ~……こいつも最近の悩みなんだよなー。しかもトトリだけじゃなくて


「う~ん天使ちゃ~ん」

 ぎゅ~~~~~~~~~~っっっ!!!


 うおーーーーっ。エリーさーん。故意か寝ぼけてかはしらんが俺を抱きまくらにするならもう少し優しく抱きしめてもらいたい。しかも無意識に俺の右手を股間に挟み込んでるし……


 エリーもこれだからなー、しかもこうなると両手を塞がれて身動きが取れない。そして女の子の匂いとメスの匂いが混ざり合って頭くらくらする。誰か俺を助けてくれーい

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