はばないす鳥っぷ!

鳥尾巻

クールスライダー!

 とある夏休み。私は子供達を実家に送り込み、一人旅を満喫していました。


 長崎に住んでいる、父の親友の写真家のおいちゃんが「おいちゃんが生きてるうちに遊びに来んかね」と言っていたのを思い出したのです。

 一応子供達も「長崎行こうぜ~」と誘ったけど「知らん人に会いに行く義理はない」という冷たいお返事。

 そして、日頃から私の奇矯ききょうな行動に慣れている子供達は、オカンを見捨て、祖父母のいる実家に旅立っていきました。


 しっかり育ってオカンは嬉しい。実家の両親も曲者揃いなので、そこは慣れたものです。

 

 詳しく知りたい方、または暇で死にそうな方は、コレクションにまとめてあるエッセイを読んでくださったら嬉しいです。

https://kakuyomu.jp/users/toriokan/collections/16817330649252224574


 必要な物は旅先で揃えればいいかと、荷物は小さなリュックのみ。10日ほどの日程でしたが、初日はSNSで知り合った友人と、大阪で待ち合わせして遊ぶ予定になっていました。


 大阪には少し住んだことがありましたが、田舎暮らしに慣れた私は、早速大阪駅で迷子になりかけます。友人に電話して「今どこ!?どこなの!?」と聞きまくりました。

 友人達は、柱の陰でニヤニヤしながら私のうろつく様を撮影してやがりました。(失礼、お口が悪い)


 無事合流して、あべのハルカス展望台に行こうという話になりました。その前に、ホテルにチェックインしておこうと、友人達を置いてホテルに向かいます。

 荷物は極力持ちたくないので、財布と携帯だけポケットに入れて戻ると、なぜか彼女達は「着いてすぐ放置とか!自由か!」と爆笑していました。


 だって邪魔やんね。


『〇〇と煙は高い所が好き』と言われますように、私も展望台は大好きです。もうテンション爆上がりです。

 ガラス張りのエレベーターから外を覗こうと突進し、分厚い強化ガラスに激突して、「子供か!」と、またもや友人達の笑いを誘ってしまいました。


 それでも有閑マダムを気取り、展望台近くのビアガーデンで、優雅にお酒を嗜んでいると、目に入ったのは夏休み特設ステージ。


『ハルカス・クールスライダー~展望台地上300mに巨大滑り台現る!~』


 酔漢マダム、ふらふらとそちらに引き寄せられていきます。受付のお姉さんは困惑顔です。


「あの……お子さんは……?」

「私が滑ります!」

「は?」

「私が滑ります。子供じゃないと駄目なんですか?ヘルメットサイズあります?」

「いえ、お子さんの付き添いで滑る親御さんもいますので……あちらでチケットお求めください」


 お姉さんは若干笑いをこらえながら、丁寧に案内してくれました。サイズが微妙なヘルメットを被り、地上300mの滑り台を満喫する私。


 ヒャッハー!眺め最高!


 無事滑り終えると、友人達は爆笑しながらまた撮影していました。私は笑顔で手を振りました。皆も誘いましたが、なぜか断られました。


 なんでよ?楽しいよ、滑り台。


 その時の様子は、某SNSで動画公開されたようです。(公開の許可は出しました)


 べ、別に黒歴史じゃないし!


(つづいて良い?)

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