◆MMORPG『Excalibur Online』 -エクスカリバーオンライン-
それから、メモリやSSDなども吟味。
特にグラフィックボード選びには慎重になっていた。……なにが違うんだ!?
「これこれ。GeForce RTX 4090」
「なんの呪文かな?」
「搭載チップだよ~。一番いい奴」
「30万円くらいするけど……」
「ハイエンドモデルだからね!」
どうやら高性能なほどゲームが快適に遊べるようだ。それくらいしか分からなかった。だが、灯がものすごく楽しそうなのでオーケーとする。
更にパソコンケースや電源など、様々なパソコンパーツを見て回った。正直、俺も後半は楽しくなってきて、灯に教えてもらいながら将来の自作PC構想を練った。
そして、灯はかなりの数のパーツを購入した。
袋いっぱいだ。
さすがに持てそうにないので俺も手伝うことに。
「凄い数だな」
「正時くんの分もあるからね」
「え……? 俺の分も!?」
「うん。付き合ってくれたお礼だよ。今流行りのミニPCを買っておいた」
「ミニPC?」
見せてもらうと、どうやら“てのひら”サイズのパソコンのことらしい。……ほえぇ、今はこんな極小サイズのパソコンがあるんだなぁ。
しかも中々に高性能らしく、ある程度のゲームも動くらしい。
重いゲームでなければ問題ないという。
こりゃいいな!
場所も取らないし、俺にピッタリだ。
「どうぞ使って」
「いいのかい?」
「うん。グラフィック要求の高いゲームは難しいかもしれないけど」
「十分すぎるよ。ありがとう」
「よかった。とりあえず、一緒にMMORPGでもやろうよ」
「えむえむおー?」
「オンラインゲームのことだよ。あ、じゃあ家で教えるね」
灯はいろいろ詳しいんだな。
感心しながらも家へ戻った。帰りはさすがにタクシーを使うことになり、またも灯のお世話になってしまった。
金持ちは豪快だな……!
帰宅を果たし、灯の部屋へ――ではなく、ゲーミング用の部屋へ。
そんなのあったんだ……。
「灯、もう組むの?」
「一緒にやろ。教えるから」
「そうだな、興味はある」
「決まりだね!」
さっそくパソコンを組み立てることになった。
俺は初めてみるパソコンのパーツや組み立て方を見て学んだ。こんなに細かいとはなぁ……。
灯は手際よくサクサク作業を進めていた。
細かいパーツを組み合わせ、一時間ほどで完成。
こんなに早くできるものなのか?
しかもどれも高そうな部品ばかり。
いったい、いくら掛かっているんだろうな。
「これで完成なんだな?」
「うん、あとはOS入れたりドライバ入れたり」
「……お、おう」
後は見守っていよう。
それから更に一時間後には全て終わり、俺でも見た事がある画面――デスクトップに到達。灯は必要なソフトウェアをインストールしていった。
「これでゲームも出来るよ」
「ほお~」
早くもなにかのゲームを起動する灯。
ゲームタイトルは『
低スペックでも遊べると有名のようだ。
これを今後も俺とプレイしたいとか。
「やり方とか教えるね」
「この手のゲームは初めてだけど、面白そうだな」
「でしょ。ちょっと古臭いけど、未だに根強い人気があってプレイ人口もそれなりにあるんだよ」
「なるほど」
「あと正時くんのミニPCのスペックを考えると、EOしかないかなって」
EO、つまり
プレイ動画を見せてもらっているが、確かに2Dキャラクターで可愛らしい。剣だとか魔法だとか様々な要素もある。
ダンジョン各地を巡り、モンスターを倒してレベルアップして自分のキャラクターを強くする。そしてレアアイテムを手に入れて装備アイテムを強化していく。
しかもパーティを組んで協力プレイもできるわけだ。
「いいね、やってみるよ」
「じゃあ、先にアカウント作っちゃおうっか! キャラ作ったら、わたしがレベリング手伝ってあげる」
……ま、まさか灯ってこのゲーム結構プレイしているんだろうか。
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