◆二人きりの幸せすぎる時間
警察の対応が終わり、ようやく落ち着くことができた。
今晩は灯の家にお邪魔することに。
幸い、両親は旅行中らしく不在。
二人きりだった。
それにしても落ち着かない。
一度訪れたことがあるとはいえ、緊張が増えるばかり。
「どうしたの、正時くん」
「すまん、灯。俺……そわそわしてる」
「それってどういう意味で?」
「普通に緊張で」
「そっか。わたしはてっきり……」
「てっきり?」
顔を赤くする灯は、それ以上は言わなかった。
ま、まさか期待しているのか!?
それはそれで嬉しいというか、シてもいいんだと俺は理解した。
「……」
「す、する?」
「…………うん」
最近の灯は大胆だ。
こんなにも俺を求めてくれるなんて。
俺も灯が好きだし、愛したい。
「えっと、先にお風呂借りようかな」
「じゃ、じゃあ……一緒に入ろ」
「マジ!」
「まだ一緒に入ったことないしさ……いいよね」
「そりゃ願ったり叶ったりだな。い、いいぞ」
まずは先にお風呂だな。
長い廊下を歩き、案内してもらう。
灯の家は本当に広いな。
しかも浴室は一階と二階の両方に備え付けられているらしい。これだけの豪邸だ。あってもおかしくはないな。
今回は『二階』の風呂を使うことに。
灯の部屋も二階だから、そのまま行き来できるわけだ。
廊下を少し歩く。途中で立ち止まり、灯が扉を開けた。……ここか。
バスルームもこれまた広く、脱衣所も温泉施設かよとツッコミたくなるほど快適。四人、五人は余裕で入れるぞ。
「あ、あの……正時くん。恥ずかしいから、先に行って」
「お……おう」
散々お互いの裸は見ているけど、やっぱりいざとなると照れ臭い。
俺はなるべく視線を前へ向けて服を脱いでいく。でも、ちょっと見たくなるような。
……チラッ。
お。
一応下着姿だ。しかし、これ以上は怒られるな。
俺は丸裸になって浴室へ。
ガラッと扉を開けると、見晴らしのよいジェットバスが出迎えてくれた。……すげえ。
なんだこの勝ち組の風呂。
こんなのラブホ(AVで見た)でしかないだろ!
驚きつつも俺はシャワーを借り、浴びる。
ふぅ、気持ちい温度だ。
疲れと汗を流していく。
しばらくして灯が入ってきた。
「お待たせ……」
「灯……って、バスタオル姿か」
「だ、だってやっぱり恥ずかしいもん」
「すでに裸と裸の付き合いをした仲じゃないか~」
「それでもなの!」
どうやら、灯は極度の恥ずかしがり屋さんらしい。そう言われると裸を見たのも一回きり。あとは着衣プレイがほとんどだった……。
なるほど、納得。
今回はかなり勇気を振り絞ってくれたわけか。嬉しいな。
「じゃ、まずはゆっくりシャワーを浴びよう」
「うん。まだ変なとこ触らないでねっ」
「どこかな~?」
「い、言わせないでよぅ」
こんなカヨワイ灯は、そうは見れない。
俺と二人きりの時しか見せない表情だ。だからこそ嬉しいし、特別。
ちょっと……いや、かなり興奮してきた!
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