◆勝負に勝ったらベッドへ
ドーナツを買い、自宅へ。
灯を連れて帰宅すると、じいちゃんが現れた。
「ん、正時。今日も彼女を連れてきたのか」
「まあね。だから部屋に入って来ないでくれよ」
「そんなことはせんよ。それより、明日は土曜日……どこかへ行くのか?」
「考えていたところさ」
「なるほど。もし遠出するなら車を出してやろう」
「マジで!」
「うむ。いつでも言ってくれ」
満足したのか、じいちゃんはリビングへ戻った。車を出してもらえるのはありがたいな。
「行こうか、灯」
「うん」
明日のデートはあとで考えるとして、今は部屋でゆっくりと遊ぶ。それが最優先だ。
俺の部屋に灯を連れ、まずはベッドに腰掛けた。
こうして二人きりというのは毎度ながら緊張する。
……さて、今日はなにをしようか。
ゲームかまったりと雑談か……。それとも。
「灯、なにかしたいことある?」
「う~ん。強いていえば……こういうことかな」
灯は俺をベッドへ押し倒してきた。
突然のことに俺はビックリした。
え、ええッ!?
マジで。
灯がしたいことって、こっちだったの……! そ、そりゃ嬉しいけど!
「いいのか……?」
「いいけど、ゲームに勝ったらね」
「お、勝負かい」
「うん。このままシてもいいけど、せっかくだし勝負で」
悪くない。それで勝てれば俺は灯とあんなことや、こんなことが出来るワケだからな。その方が俺としてもいいかもしれない。
マラソン大会で勝ったのだから、次も勝つ。それだけだ。
「オーケー。それじゃ、じいちゃんの宝物
「わー! ぶよぶよかぁ。知ってる知ってる」
ぶよぶよは人気作品だから、最近でも新作が発売されている。さすがの灯も知っているようだった。さすが超有名パズルゲーム。
これなら公平に対戦できるな。
「ルールは分かるだろ?」
「うん。赤とか緑のぶよぶよを四つ揃えて、相手にお邪魔ぶよを降らせるんだよね」
「そう。天井にぶよぶよが達したら負け」
なるべく、ぶよぶよを組みコンボを決めまくる。それが鉄則だ。
「了解!」
「そんじゃ、まずは練習試合でもしますか」
「そうしよう」
練習対戦を始めてみると、灯が思ったより強いことが判明した。……ほう、これなら一方的な戦いにはならなさそうだ。楽しみだな。
◆
「――参りました」
素直に敗北を認める灯。
あれから接戦が続き、ギリギリで俺が勝利した。……危なかった。あのマラソン大会の時のように俺はまたも辛うじて勝ったのだ。
危なかった。
あと少しコンボが遅れていたら、おじゃまぶよで即死だった。なんとか連鎖してくれてゲームオーバーを回避することができたのだ。
「よ、よし……。灯、いいよな」
「…………わ、分かった」
観念したのか灯はベッドへ。
仰向けに倒れて制服を脱ぎ始めた。
「まった。俺が脱がしたい」
「……えっち」
「いいじゃん。付き合っているんだから」
「うん。いいよ」
やっと。やっと思い切って灯を愛せる。この時をどんなに待ち望んだか。
俺はいよいよ灯を脱がしていく。
やがて見えてくる下着姿。傷ひとつない白い肌。とても綺麗で感動した。
スタイルが良いのも知っていたが、こうして間近にすると興奮した。
「灯……」
「きて」
キスを交わし、まずは甘い時間を過ごした。
そして……。
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