第4話 曾祖父の冒険心を継ぎ、新世界へ旅立つ
陽一は、手にした箱をそっと曾祖父の墓前に置いた。
彼の胸は、期待で高鳴り、同時に曾祖父への尊敬の念で一杯だった。
「ひいおじいさん、見てください。これが僕の冒険の証です」
と、心からの言葉を墓前に語りかけた。
彼の声は、静かな墓地に響き渡り、そこには時間が止まったような静寂が広がっていた。
しかし、その静けさは突然の風によって破られた。
箱の中から一枚の写真が舞い上がり、まるで曾祖父からの返事のように、陽一の手の中に静かに落ち着いた。
写真には、見たこともない壮大な風景が広がっていた。
その地の名前は知らないが、陽一の心は強く引きつけられた。
「これが、次の目的地か…」
彼の心は、冒険への渇望で満たされた。
「ひいおじいちゃんが残した道を、僕も歩いてみます」
と、陽一は決意を新たにした。
その瞬間、彼の中で何かが変わった感覚があった。それは、自分だけの物語を紡ぎ始める勇気だった。
彼は箱を大切に抱え、墓地を後にした。
歩みを進めるごとに、心は軽やかになり、目の前に広がる世界がより鮮やかに感じられた。
曾祖父の遺した冒険心は、陽一を通して新たな物語を紡ぎ始めていた。
「ひいおじいさん、僕も新しい世界を見つけに行きます。そして、いつか僕も誰かの箱に、冒険の種を残します」
と、陽一は心の中で誓った。
夜が訪れ、星が空を彩り始める中、陽一は新たな冒険への旅立ちを決めた。
曾祖父の遺した箱は、一つの章を閉じ、次の章への扉を開いた。陽一の成長物語は、これからも続いていく。
彼の足元には、まだ見ぬ世界への道が待っていた。そして、その道は、彼に無限の可能性を約束していた。
曾祖父との約束を胸に、陽一の旅は、今、始まったばかりだ。
箱の中の小さな宇宙【KAC20243】 藤澤勇樹 @yuki_fujisawa
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