第2話 自分の本棚

 自分だけの本棚って、持っていますか?


 自分の机は、割合早い時期に用意してもらった記憶があります。長く使えるようなしっかりした机で、これは家を離れるまで、ずっと使ってました。子供の頃は、友達が使っているような子供用学習机が羨ましくて、家具調のどっしりとした自分の机があまり好きではありませんでした。


 私の本棚は、その机にあった小さな棚がはじまりかもしれません。


 家にはもともと本棚があって、百科事典や何とか全集、父の仕事関係の本などが詰まっていました。その後、弟と半分づつ使うように、新しく本棚を買ってもらいました。ガラスの引き戸がついた(本に埃がつかないようにですね)立派な本棚で、嬉しかったのを覚えています。

 こうして狭い団地の部屋に、2台の本棚が置かれることになったわけです。


 友達の家に遊びに行った時、本棚が無くて驚いたことがあります。

 雑誌や漫画はあるけど、本が無い。

 誰も本を読まないんだ…。カルチャーショックでした。


 自分の本棚を公開するのは、恥ずかしく思う方もいますね。好きな本や蔵書には、その為人ひととなりが表れると思います。

 私は平気な方です。自分の好きな本を他の人にも読んで欲しいと思うからです。

 そういえば、中学生の時、家庭訪問で、担任教師が本棚をじっくり見ていったなぁ。


 今の自宅には本棚がありません。

 蔵書欲を手放したことと、図書館や電子書籍などで便利に本が読めるようになって、紙の本を手元にほとんど持たなくなりました。


 でも、ときどき、今はもう無いあの自分の本棚を懐かしく思い出すことがあります。

 本は本棚に収まるだけにしなさい、とよく言われたなぁ。




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