「読む」ということ

第1話 活字中毒者の誕生

 私は自他共に認める重度の活字中毒者です。


 椎名誠さんの「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」という物語を読んで以来、味噌蔵がコワイです。もしも、活字を絶たれて味噌蔵に閉じ込められるような拷問に等しい事があったら(無いと思うケド)、すぐ自白してしまうと思います(笑)。


 いつ頃から本を読み始めたのか、記憶が定かではありません。

 親に読み聞かせとかしてもらっていたのかなぁ…。絵本が家にあったのは、かすかに覚えています。「ぐりとぐらシリーズ」や「うさこちゃんシリーズ」だったかな。


 本屋さんに行って本を買うこと。

 図書館で本を借りてくること。

 本を読むのはあたりまえのことでした。

 読書する習慣を身につけられたこと、両親にはとても感謝しています。


 でも、先日、小学校の通知表を見つけたら、そこには父の字でこんな事が書かれていました。

「家では本ばかり読んでいるので困ります」

(お父さん、ヒドイ……)


 私には5歳年下の弟がおりまして、おそらく当時、母は小さい弟の面倒や家事に忙しかったのだと思います。私は本を読んでいれば手がかからない子供で、許されるのならいくらでも読んでいたかった。

 本を読んでいて、物語に没頭して、返事をしないと叱られたことがあります。


 ——活字中毒者、ここに誕生です。




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