かぶれ者

青井 白

幼き考え

涙が出るのですよ。才能の色が目の端に少しでも映ると私の存在は消えてしまうのです。


神様どうか姿を見せてください。もし姿を見せることができないのであれば、ふっと木の葉に息を吹きかけ揺らしてください。それだけでも構いません。ですが、ただ揺れているだけでは私の脳は認識することができません。ですので、空気に逆らって吹いてください。

あなたを信じることができれば、私は私たち人間は生きることができる。

母と父だけでは成長ができないようです。心底恐ろしく思うのです。私は人間に育てられ、培われてきた自分に嫌悪感を感じずにはいられません。

人間が嫌いなわけではなく、人間である自分が嫌いなのです。きっとこれは一時の感情で歳を取れば取るほど感じなくなって行くのでしょう。けれど、今の私が無かったことになるわけではありませんので、ここに字として残しておきたいのです。

私は神になりたいと願います。この神というのは完璧で絶体的なものではなく、ただの無ということです。私にとっての神は無でしかありません。この言葉も無に向かって置いています。

この考えを崩せさえすれば私は諦めて人間だと理解できると思えるのです。

そうすれば安心して人間でいられるのです。

消えて無くなりたいと口にすれば、死にたいのと聞かれますが、そうではありません。

生も死も無かったことにしたいのです。最終の駅に着きたいわけではなく、線路を切り離してしまいたいのです。

神様、私は誰かに培われた価値観で怒り、悲しみ、喜びます。それが気持ちが悪いのです。理解してほしいとは少しも思っていません。ですがどうか否定も肯定もしないでください。

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かぶれ者 青井 白 @araiyuki

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