僕は黙りこんでからしばらく。

 日本政府の方からしっかりと僕の方へと連絡がきた。


『まずは簡単な確認の方からしていかせてもらいます。日本国籍はありませんよね?』


「えっと……」


『はい、ないです』


 僕はその連絡に対して、淡々と答えていく。

 もうキモイと言われないように出来るだけ簡素な言葉を心掛けながら。


『ありがとうございます。それにつきましてはこちら側の不慮であるために何も言いません。貴方は間違いなく日本人の一人です。それで、まず最初に聞いておきたいのが、何のために戦うのか、です』


『生きていくためってのが一つと、みんなが見てくれるからってのが一つです。自分は戦うことしか能がないので』


『なるほど。では、その力を振るって何かをしよう。などといった野望等はありますか?』


『全世界の人に知ってもらって、自分を崇めて欲しいです』


『そうですか。ぶっしつけなことを聞きますが、それは洗脳なども辞さない考えですか?』


『洗脳は違うじゃないですか』


『なるほど。それでは私たち政府の方で活躍の場を与えます。我々、日本政府が貴方の活躍の場を用意します。そう、告げたのであればどうでしょうか?我々の元で戦ってくれるでしょうか?』


『……それは、嫌かなぁ?』


『それはなぜでしょう』


『前の僕なら、頷いたと思う。でも、今は桃葉がいるから。僕は桃葉と一緒に活動したいですかね』


『そうですか。大事な友達がいるってのは良いことですね』


『はい』


 桃葉は、本当に僕のような人間にはもったない人だと思う。

 今さら別の人と協力して、有名になろうとは思わない。

 僕には桃葉が隣にいてくれれば、それで。


『それでは、我々日本政府が危機に瀕した際、助けを求めることを許してくれますでしょうか?』


『ん?良いですよ。それくらいは。自分が暮らしている国ですから。そのためなら別に力くらいいつでも貸しますよ』


『ありがとうございます。それが聞けて安心しました』

 

 インターネット楽ぅー。

 前世もこうやって連絡取り合えばよかった。

 そんなことを思いながら僕はスマホを操作して連絡を取り合っていくのだった。

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