連絡
冥層配信。
それは僕にとって予期せぬ形になってしまった。
本当に攻略組に会うなんて本当に予想外であった。
「でも……接触は、ない……へへっ、大丈夫そうだ」
出来るだけ前世の知りあいには会いたくない。
そんな思いから彼ら攻略組と正式に接触してしまったことを僕は非常に悔いていたのだが、あの配信から一日も経過した今。
未だに日本政府から連絡のほどはなかった。
これは見逃されたか……?
「ねぇ、日本政府の方から連絡来たんだけど」
そんなことを僕が思っていた中、急にトイレから出てきた桃葉が残酷な宣告を告げる。
クソ、だめだったのか。見逃されたりはしなかったのか……いや、冥層に潜った段階で向こうから接触は来るだろうし遅かれ早かれだったとは思うけどぉ。
「……なんて?」
僕は日本政府がこちらに何の連絡をしてきたのか尋ねる。
「あの配信に関することじゃない?詳しくはあまり書いていないけど……ただ、あってほしいという連絡みたいよ」
「……だよねぇ」
僕は桃葉の言葉に深々と息を漏らしながら答える。
「一応言っておくとね?」
「……うん?」
「なぜか知らないけど私も来るように言われているんだよね……」
「えっ?そうなの?」
僕は桃葉の言葉へと驚きで返す。
何で、僕だけじゃなくて桃葉も来ることになっているの……?
「多分だけど、咲良ちゃんがまともに会話できないからじゃないかな?」
そんな疑問に対する答えはあまりにも簡潔でわかりやすいものであった。
「うぐっ!?」
僕は桃葉の言葉を大きな衝撃でもって受け止める。
そういわれてしまえばもうぐぅの音も出ない。
ただの真実であった。
「だから、そんなに不満そうにしないで?巻き込まれた側である私もいるのだから」
「うぅ……ごめん」
僕は桃葉の言葉へとただ謝ることしかできない。
「いや!謝ってほしいんじゃないよ!私も一緒にいるから安心して、っというのと……私と一緒に行くなのに不満な表情しないで?ってこと。私と一緒であれば楽しいでしょ?」
「えっ?あっ、う、うん!そうだねっ!」
僕は桃葉の言葉に力強く頷くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます